大規模修繕工事

大規模修繕工事 準備編

 マンションは、年月の経過とともに必ず劣化していきます。
 建物全体の機能低下、材料の劣化は避けることができませんが、それらを最小限に食止め、建物を最良の状態に維持することはできます。
 マンションの居住性能、美観を保ち、最大限に劣化を防ぐために、計画的に修繕工事を実施することは必要不可欠なのです。

長期修繕計画とは?

 修繕が必要であると頭ではわかっていても、区分所有者それぞれの考え方や資力がまちまちで、なかなか足並みが揃わないのが実情でしょう。
 そこで、「修繕項目」「修繕周期」「修繕仕様」「修繕概算金額」に対し、現在の修繕積立金やその残高などを勘定して、今後20~30年間の修繕工事に必要な資金との関係をシミュレーションします。これが、長期修繕計画(以下「長計」)です。
 大規模修繕工事を成功させるために最も大切なポイントは、区分所有者全員の共通の認識です。長期修繕計画等を参考に、まずは意識作りから始めていきましょう。

住民の意識向上のために

 提案された「長計」を各区分所有者にそのまま説明しても、理解される方が思いのほか少ないのが現状のようです。そこで、理事会でまとめた「長計」つまり、いつ、どのように修繕をおこない、そのためにいくら積み立てる必要があるかという説明をする前に、まず、全員に呼びかけて建物の見学会を開催し、建物の状態に関心を持ってもらうことから始めてはいかがでしょう。専門の技術員の説明を受けながら、建物の劣化状況を自分達の目で見ることにより、「長計」が自分には”関係ない”から”自分達の建物のため”に変わっていくことでしょう。
 こうした住民全体でのイベントによって意識を高める努力をしていかなければ、なかなか大規模修繕工事を成功に導くことは難しいでしょう。

大規模修繕工事の進め方

 大規模修繕工事が本当に必要な時期にきているか、必要であれば工事の範囲・工事費用等をどのようにすればと、頭の痛い問題が山積みです。そこで、的確な調査診断を受け、マンションの劣化状態を把握した後、過剰な仕様にならないよう進めましょう。

管理会社がコンサルタント業務をするメリット

 マンションの修繕工事項目は実に多様で、多岐に渡る工事項目すべてに目配りできる知識、経験が求められます。さらに、修繕計画を作成していくための建物の劣化状況の診断、工事仕様、工法の選択などをおこなうのにコンサルタントが必要となります。
 ここで、管理会社がコンサルタントをする場合のメリットを述べてみます。
○建物の月次点検や、建築士による年次点検をおこない常に建物の状態を把握している
○建物の工事履歴を把握し、きめ細かい大規模修繕計画ができる
○日ごろのマンション管理をおこなっているため、入居者の事情を考慮した工事監理をおこなえる
 大規模修繕工事は新築の工事とちがい、工事現場で入居者が生活しているようなものなので細かい配慮が必要である
○工事完了後のクレームにも、日ごろの管理をおこなっているので迅速に対応できる
 ただし、管理会社であればどこでもよいというわけではありません。管理会社によって、能力には大きなちがいがあります。建築、設計に関するノウハウを有し、日常の管理がしっかり行える管理会社であれば、コンサルタントの面でも頼りがいがあるというものです。

主な修繕工事時期の目安
鉄部塗装
(非常階段 やベランダの手すり)
5~8年
外壁(コンクリートの劣化) 10~15年
屋上防水層(漏水の原因になる) 10~15年
給水管、ガス管 20~25年
電気設備
(TVアンテナ、照明、非常灯)
15~25年
貯水槽の交換 20~30年
エレベータの交換 25~30年