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舞台企画・パフォーマー/ホナガヨウコさん

舞台企画・パフォーマー/ホナガヨウコ
「音体(おんたい)パフォーマンス」
Profile

ホナガヨウコ/舞台企画・パフォーマ-
1981年東京生まれ。舞台を中心に活動中。 芝居や舞踏を経て、20才のころから身体の視覚的音楽化を考えた「音体(おんたい)パフォーマンス」をコンセプトに、ライブハウス・ギャラリー・工場跡スペース等で自主企画公演を行っている。主な作品は『発火リズム』『笑顔ショック』『落ちるピアノ』など。近年は、時々自動、トチアキタイヨウ(山海塾)、鈴木ユキオ、カリカ家城(吉本興業)、ニブロールなどの舞台作品にも出演。2005年にはシアタープロダクツとニブロールアバウトストリートのファッションショーの出演や、アニエスベー・アーティストTシャツ展“A/あPROJECT”で現代美術家の花代とアニエスベー青山店内でライブパフォーマンスをする等、活躍の場を広げている。



「くせになるダンス」より

「くせになるダンス」より

「くせになるダンス」より

「くせになるダンス」より

 「音体(おんたい)パフォーマンス」って聞いたことありますか?初めて耳にすることが多い方がほとんどでしょう。私の造語です。芝居?ダンス?いやむしろ音楽なんです。ただ、耳で楽しむだけじゃなくて目でも楽しむ音楽です。ギターがあって、ベースがあって、ドラムがあって、体がある。同じレベルでそこにある。音を鳴らすみたいに体を動かす。あるいは何か言葉を発する。あるいは何枚もの白い紙が飛び交い散らばる。見ていても何か音を感じる、そういう音と体が一体化する気持ちいい関係をいつも望んでいるんです。

 もともと芝居をやっていて、でも制約や決まりごとからもっと飛び出したいなと思ったら今みたいな形に自然となって。最近はダンス寄りに解釈されることが多いんですけど、特にこだわっていませんね。あんまり既成の枠の中で判断されたくないんです。もっと自由な表現がしたい、ならジャンルなんて自分で作っちゃえと。

 だから見る人も自由に楽しんで欲しい。その辺の考え方も音楽と似ていると思うんですよ。「よく分からないけど面白かった!」、それでいいと思うんです。音楽は理解しなければいけないものじゃないから。目はすぐつむれるけど、耳はすぐには塞げない。耳の無抵抗さはある意味キャパシティが広い。そういういい無防備さを目にも分けてあげたい。だから一生懸命うーんと考え込みながら見るんじゃなくて、むしろレコード屋でヘッドフォンかけて視聴するような気軽な感覚で触れて欲しいんです。日本人だと何故か多いのはすぐ意味とか考えちゃうんですよね。何でも理由がないとやっちゃいけないなんて決めつけてしまっていると、表現なんてどんどん狭くなっていっちゃう。子どもだったら考える前に走っていっちゃうでしょ。そういう無邪気な遊びの衝動をずっと持っていたい。

 普段聴いてる音楽はポストロック、ポップス、エレクトロニカ、歌謡曲なんかが多いです。そういうのを聴いている内にどんどん映像が見えてくる、あるいは動きが出てくる。自然に視覚的なイメージが膨らむんです。私がやりたいことってミュージックビデオに近いのかもしれない。その音のよさを引き出すのと同時に世界を広げる役割として。BGMとしてじゃなくて、一緒に居る、っていう感覚で。お互いの存在を尊重していい形でセッションしたいんです。何より音楽がすごい好きだから、いい相乗効果になればいいなと。だからこそ自分の作品で音楽が位置するところはでかいですね。いつも面白いと思ったことはいろいろ試してみたくて。何か決まった形はとってないんです。今後何かグループとか作る可能性もないわけじゃないけれど、今はそのときいいなって思った人に声かけて素敵だと思った場所でやって、っていうフリーなペースが丁度いいですね。

「口から虎」のワンシーン

「口から虎」のワンシーン

 最近は少しコンセプチュアルな作品をつくるのが面白くなっています。

 例えば今年1月に横浜STスポットでやったソロでは、マンガのコマ内の登場人物のポーズを身体に起こしていってランダムにコラージュしてつなげることで、不自然な変わった動きの連続ができるという『アニメカ』という作品をつくりました。身体で“アニメ化"したわけです。自分の体にないものを取り入れて編集したのだから、いわばサンプリング音楽みたいなものですね。

 3月には渋谷のギャラリー・ルデコ1Fでトークショーをモチーフにしたライブ『口から虎』を企画しました。実際に日替わりでダンサーや役者のゲストを呼びつつ普通のトークショーかと思わせておいて、いつのまにかしりとりトークになっていたり、アフレコになったり、逆さまに座ったまま会話を続けていたりといたずら要素をあちこちにちりばめたんです。外からもガラス越しに覗けるようになっていた上にワンコインライブ(500えん!)だったので誰でも気軽に楽しんでもらえるようなイベントになりました。

「口から虎」のワンシーン

「口から虎」のワンシーン

 東京ビッグサイトで行われたアートイベント“GEISAI-7"では『くせになるダンス』という形で出展。通りがかりの初対面のお客さんにその人の仕事やよくやってしまう仕草やくせとか教えてもらって、そこから動きを広げてその場でその人のために即興で踊るんです。このとき新鮮だったのは「うれしかった!」っていう感想がすごく多かったことです。あんまりないですよ、うれしいって。舞台終わって、よかった、楽しかったという感想はよくもらうんですけど、それはやっぱり需要と供給みたいな関係が前提でそれが当たり前なんですよね。でもこのくせダンスは相手と会話して、知って、コミュニケーションすることで初めて可能になる。“あなたの似顔絵描きます"に似た感じですよね。そこで生まれるものって唯一無二の個人的なプレゼントなんです。それもあって1人1人との出会いが濃密でした。劇場以外の所でやるとそういった発見がすごくあって楽しい。

「口から虎」のワンシーン

「口から虎」のワンシーン

 舞台の市場が狭いのは知ってる。でももっと気軽に足を運んでもらえるといいなっていつも思うんです。だからこそいろんな場所でやることで、知ってもらうきっかけになりたいですね。とっつきにくいっていう抵抗を減らしたい。音楽を聴くみたいに身近なものになったらいいって切に願いながらやっています。

 将来の夢とかよく聞かれるんですけど、基本的な志はいつも一緒なんで、何か変わりたいとかじゃなくて続けていきたいです。それが今ある形じゃないかもしれないけど、その都度ちゃんと自分の好きなものを好きと自信持って言っていたい。あるいはみんなにもそうあって欲しいし、それぞれのスタイルでいいんだよって言ってあげたいです。ダイジョブだよって。みんな元気になあれ!



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