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207号 注目の人 女優・歌手/ユンソナさん

「日本と韓国、いいライバルになってくれたらうれしいですね」
ユンソナ/女優・歌手
Profile

ユンソナ/女優・歌手
1975年、韓国・全羅北道全州市生まれ。
94年、韓国のテレビ局KBSのオーディションに合格し、専属タレントとしてデビュー。
韓国では、ドラマ「愛の群像」などでペ・ヨンジュンとも共演。
2000年に来日し、01年NHKドラマ「もう一度キス」のヒロイン役で日本デビュー。その後、フジテレビ「ファイティングガール」など多数出演。
現在、日本・よみうりテレビ「芸恋リアル」などにレギュラー出演。
「sona」のアーティスト名で歌手としても活躍。


舞台女優になりたい


1才ごろ、全州(チョンジュ)にて

 私が生まれた全州(チョンジュ)は、観光客も少ない小さな町ですが、韓国では1番料理がおいしいところなんです。ビビンバの発祥地でもあり、チョンジュペッパンという小皿料理も有名。昔から、チョンジュの女の子と結婚したら幸せになれるっていわれるぐらい。

 もちろん、私も料理は大好き。小さいころから母親の手伝いをしていたので、見よう見まねで、いろんな料理を覚えました。

 歌や踊りも大好きで、小学生のときから舞踊を習っていたんです。でも、中学3年のときに父が事業に失敗し、「舞踊はお金がかかるから、やめなさい」と言われて。私は「親の都合で自分の夢をあきらめるなんてできない」と、ずっと親に反抗してました。

 両親は、女性はいい会社に勤めて、24、25才になったら結婚することが幸せなんだという、とても堅い考え方。それで、私も就職しやすい専門学校に行かされ、すごくショックだったんです。学校に行くのが嫌で嫌でしょうがなかった。

 そんな中で、ミュージカルなら踊れるかも、と思って演劇部に入ったんです。友達に踊りを教えてあげたりしているうちに、だんだん楽しくなってきて、そのころからですね、舞台女優になりたいと思い始めたのは。

 そこで、両親には内緒で芸術大学に行く準備を始めました。専門学校では受験科目はあまり教えてくれなかったので、友達に参考書を借りて、一生懸命勉強しました。

 でも、無事合格したものの、学費がない。私はそれまでバイトもしたことがなかったんですよ。両親は仕事で忙しかったので、私が弟2人の面倒を見なくてはいけないし、バイトしたり、外で遊ぶ暇もなかったですから。それで、仕方なく母に、半年分の学費を貸してほしいと頼んだんです。母は、「大学受けるなんて知らなかったけど、よく頑張ったね。でも何で演劇映画科なの?」と。母は反対ながらも学費を出してくれました。

オーディションから女優の道へ

 そして、その半年後の夏、KBS(韓国放送公社)のオーディションがあり、私も応募したんです。1次試験に合格し、2次の実技試験では、実際のドラマで使った台本を渡されました。その台本を持って家に帰ると、母はもう大喜び。たまたま母が大好きだったドラマの台本だったので、「あなた、練習頑張りなさい」と、今度は母の方が真剣になって(笑)。

 3次試験を受けるときは、母がオレンジ色の派手なスーツを買ってきてくれたんですけど、会場に着て行ったら、1人だけすごく目立ってましたね。そんな母の協力のおかげか、見事オーディションに合格。

 何しろ国営放送の俳優のオーディションですから、全国から応募者が集まり、ものすごい倍率なんですよ。中には私よりもっときれいで、芝居の上手な人もいたんですが、なぜか合格できたのは本当に運とタイミングが良かったんだと思います。小さいころから恥ずかしがり屋だったのに、舞踊の発表会とか舞台に立つと、不思議と何でもできた。だから、もともと人の前で演技をするのは、向いていたのかもしれませんね。  合格して1年間は契約社員なので、エキストラでも何でもやりました。私はKBS入社の16期で、14期にはイ・ビョンホンさんとか、有名な俳優さんがたくさんいましたね。私も大スターとまではいかないけど、いろいろなドラマに出演させていただきました。


言葉の壁を乗り越えて


 そして、歌手としても活動しようとCDを発表し、1ヵ月もたたないころに、NHKからドラマ出演の話をいただいたんです。レコード会社との契約もあり、どうしたらいいのか迷いました。でも、日本で活動できるチャンスはまたいつ来るか分からない。そう思って2000年に初めて来日しました。

 その後、共演した深田恭子さんとのご縁で、日本のプロダクションも決まり、ドラマやワールドカップのレポーターなどいろんなお仕事をいただいて、ここまで来たっていう感じですね。でも、最初は日本語が全く分からなくて、セリフを覚えるのが本当に大変だったんですよ。

 例えば、昨日台本をもらったばかりでも、先輩の俳優さんのスケジュールに合わせて次の日に撮影しなくちゃいけない、なんてことも多いんです。そうすると、この2日間は寝ないでセリフを覚えなきゃいけない。

 ドラマを週2回放送する韓国に比べて、日本の方が撮影のスケジュールに余裕があるにも関わらず、いつも私の頭の中はパニック状態(笑)。

 もし、私がセリフを間違えてNGになったら、共演者の方に申し訳ないし、2度と一緒に仕事したくないって言われるのも嫌だから、もう必死でしたね。仕事を受けたからにはきちんと仕事をする、その責任感で頑張ってきた気がします。でも私に限らず、この世界の人たちは、みんな見えないところですごく努力してますね。その努力が結果として評価につながるんだと思います。

 ドラマは、やればやるほど難しいし、いろんな壁を感じました。言葉のこととか、韓国で芝居をするより何倍もプレッシャーが大きかった。だからこそ、頑張ろうっていう気持ちになれたんだと思います。ドラマは大変だけど、1つ1つ乗り越えるごとに、すごくやりがいを感じますね。  でも毎回、自分の演技を後で見ると、なんて下手なんだろうとか、堅いなとか思うんですよ。日本語のセリフだとつい緊張してしまうので、できるだけ肩の力を抜いて演技しようと心掛けています。自然体が1番大事ですから。

このごろは韓国でも全く演技の勉強をしたことのない俳優さんも多くなってますけど、そういう人の方が逆にナチュラルな演技をしたりするんです。勉強したから演技が上手いとは限らないし、やはり天性のものなんでしょうね。

結婚することになりました!


8月9日リリースのsonaのCD
「はらり、ひらり」より

 3年ほど前から、バラエティー番組にも出るようになって、始めはウケルかどうか自信がなかったんですけど、やっと楽しめるようになりました。番組ではずいぶん失礼なことも言ってますけど、普段はそんなこと言わないんですよ(笑)。

 番組でご一緒させていただいている島田紳助さんから、「恋愛をしないともったいない」とずっと言われ続けていて、そのおかげか(笑)、この9月に結婚することになりました。彼はソウルに住む実業家で、とても優しい人ですね。会った瞬間、「この人と結婚するのかな」と思ったので、すごくうれしい!

 でも、結婚しても日本と韓国両方で仕事を続けていくつもりです。いつか韓国のドラマにも出演したいし、日本の皆さんにも、もっと韓国のことを伝えたいから。

 最近は、韓流ブームも少し冷めてきて、ヨン様ブームも静かになってきたような気がしますが、一過性のブームとして消えるのではなく、ず~っと韓国に愛情を持って、興味を持ち続けてほしい。

 まだまだ知られていない、韓国の素晴らしい面がいっぱいあるから、それをもっともっと伝えたい。正直に言うと、ブームになる前の3年間、「キムチはおいしいですよ」とか、いろいろ韓国の良さをアピールしても、ほとんど反応がなかったのに、「冬のソナタ」でこんなに韓国ブームが起きて。自分の力なんて小さいんだなって、少し悔しい思いもしたんですよ(笑)。  でも、ドラマで多くの人が癒されて、韓国に興味を持つようになってくれた。それがとてもうれしいんです。だからこそ、日本と韓国がいい意味でライバルになってほしい。

 韓国人もドラマ作りに誇りを持っているから、韓国でこんないいドラマが作れるのなら、日本でももっといい作品を作ろうとか。逆に、日本の作品に刺激を受けて、韓国ももっとレベルアップしていく、というふうに。  ドラマに限らず、韓国では、日本を意識して頑張っているところがあるんですよ。同じアジアで日本が頑張ってるから、自分たちも頑張ろうって。韓流ブームで、せっかくお互いを知るきっかけができたんだから、これからもいいライバルとして、交流し合っていけたらいいなと思います。

ハングルも楽しく学ぼう


1988年ソウルオリンピック。
大好きな弟2人と

 5年前、NHKの「ハングル講座」に出演させてもらったことがきっかけで、韓国語のテキスト本を出しました。今年は、DVDも出そうと思っています。ハングルに関わる仕事はすごく楽しい。うまく教えられなくても、ちょっとした先生になった気分(笑)。これは日本に来たからこそ、できた仕事ですね。

 言葉を覚えるコツは、まず興味を持って使ってみること。私もそうだけど、勉強って好きな人は少ないと思う。だから、ドラマを見たり、映画を観たり、楽しく覚えるのが1番。文法を覚えてから話そうとか、難しく考えると途中で嫌になっちゃうから、少し覚えたら、近くの韓国料理のお店に行ったりして、まず話してみる。そこで通じるとうれしくて、また勉強できるんです。

 私も日本語を覚えるときは、1日中テレビのニュースを流しておいたり、ドラマや映画もよく見ました。どんなシチュエーションでどんな言葉を使うのか、映像と一緒だと分かりやすいんですよ。日本語の発音で難しいのは「つ」の音。韓国語にはない音なので、「つ」が「づ」になってしまう。だから、歌を歌うときはまず誰かに歌ってもらって、それを聞きながら発音やイントネーションを勉強しました。

 ドラマも好きですが、歌も好きですね。この8月に公開中のアニメ映画「劇場版 遙かなる時空の中で 舞一夜」のエンディングテーマ曲「はらり、ひらり」も歌っています。これは楽器も歌も和風のテイストで、自分で歌っていても、すごくほっとする曲です。

 今はドラマに歌、バラエティーと、何が本業か分からないって感じですけど、日本と韓国を往復しながら、今までやったことのない仕事にも、どんどんチャレンジしていきたいと思っています。これからも、どうぞ応援してくださいね。

(東京都目黒区下目黒の事務所にて取材)



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