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163号 注目の人 タレント/服部 真湖さん

「人生は一度きり。興味あることは、何でも貪欲に追求していきたい」
服部 真湖/タレント
Profile

服部 真湖/タレント
1961年、東京生まれ。
15才でモデルデビュ-した後、17才でカネボウ化粧品のキャンペーンガールに抜擢される。
その後、女優、タレントとして活躍するが、21才のとき、仕事を中断して渡米。その後、語学力を生かし、海外からの取材リポートやインタビューなど国際的なイメージで活躍を広げる。
またダンスや料理など趣味は多いが、最近ハワイアンキルトやフラダンスなどにはまっている。
現在、日本テレビ「おもいッきりテレビ」、TBSの「おはよう!グッディ」などにコーナーを持ち、そのほか海外レポート、トークショー、イベントなど、多くのフィールドで活躍している。


全ての仕事を中断して渡ったアメリカの日々


東京千代田区レストラン
アラスカ パレスサイド支店にて

 小さいころから、私は身体を動かすのが大好きだったんです。どんなに落ち込むことがあっても、体を動かせばすぐにすっきりするくらい。うちの母は花柳界の出なので、私も6才から日本舞踊を始めて、それ以来バレエ、タップダンス、フラメンコ、中国舞踏とダンスは本当にいろいろなものをやってきましたね。

 芸能界に入ったきっかけは、15才のときです。ふとした縁でモデルになって17才で化粧品会社のキャンペーンガールに選ばれたことで注目されまして。とんとん拍子に芸能界でお仕事をいただくようになったのですが、21才のとき、いわば絶頂期に仕事を全て中断し、1年間アメリカに行きました。

 そのまま流されるのが不安だったのと、もっと自分に向いている仕事があるかもしれないとも思ったことが理由です。そのときは芸能界に執着はなかったし、人気がずっと続くなんて自分で思えなかったし。

 ある意味周囲からちやほやされていたので、このままだと自分の人生が心配だと、危機感を持ったんですね。当時、お仕事をたくさんいただいていたので、みんなに「どうして、今いくの?」と驚かれました。私自身、今考えると恐いことをしたと思いますが、あのときは若かったから、仕事を中断する不安より、新しい世界に乗り出していく冒険心のほうが強かった。

 もちろん、中途半端なことはしたくなかったので、お仕事は責任もって全部カタをつけて1年がかりで準備しました。

 そうまでして行ったアメリカでの1年間は本当に貴重な体験でした。日本にいたときの私はある意味特別な存在として、ちやほやされてたのが、いろんな人種が集まるニューヨークにいると、ただの1人の人間にすぎない。

 例えばお店で野菜1つ買うにしても、自分でアピールしないと、取ってももらえない。自分は日本で何とラクをしていたかと反省しましたね。また人と目線があったら、にっこりすると、人種や年齢がちがっても相手もにっこりしてくれる。こちらが誠意をつくせば、相手も誠意をつくしてくれることがわかりました。

 このころのマンハッタンはとても物価が高くて、1年分として貯めていったお金がだんだん心細くなってきたんです。だから知人のブティックで在庫整理のバイトをさせてもらいました。9時5時で働いたのは、これが初めての経験で、このときにお金の大切さとか、物のありがたみとか、生きるってこういうことなんだ…と実感しました。

 この1年があったから、その後、腰を据えて芸能界で仕事をしていく覚悟ができましたし、また仕事というのは裏方の人がいて初めて表の人が生きることもわかりました。

国際結婚は、歩み寄りが大切。ハプニングもおもしろがりたい


今こっているのがハワイアンキルト

 年をとるにつけ、自分の得意、不得意な仕事が見えてきましたが、これはアメリカから帰ってから、とにかくいろんなジャンルの仕事に挑戦したおかげです。  今、私はお客さまをお迎えしてお話をうかがう番組の進行役を勤めることがとても楽しいんです。

 お料理に関する番組も興味深いですが、チャンスがあったら積極的にやりたいのが、国際結婚や異文化コミュニケーションの問題を話し合う会の進行。私自身国際結婚ですが、最近日本でも国際結婚をする方が増えています。国際結婚は本人同士のことではあるけれど、家族や周囲の人間関係、子育てなど継続する問題がたくさんあります。文化、生活感覚がちがうだけでなく、相手側が持つ日本人へのイメージがちがっていることもあります。ある意味、国際結婚というのは、日本を代表して、日本を紹介する窓口であるという意識をしっかり持たないといけないと思うのです。

 ただの結婚と安易に考えていると、いろんなことに支障が出てくる。いくら自分がこれが正しいと思っても、ちがう世界ではちがう図り方が多々ある。歩みよる気持ちを持つことが大事だと思います。

 幸いうちはアメリカ人の夫やその家族とのコミュニケーションはうまくいっていますが、それでも生活習慣からくるちがいは山ほどあります。例えばお風呂に朝入るか、夜入るかなんてことからして、もうちがう。私たち日本人は、やっぱりお風呂は夜寝る前に1日の疲れと汚れをとって、ゆっくりシーツに埋もれたいですよね。でもアメリカ人の夫は絶対に朝。すっきりとシャワーを浴びて、1日を気持ちよくスタートさせたいんですって。

 こういうことを子育てにあたって、どっちの方法でするの?というのが、けっこうおもしろい。病気になったときも私は梅干しとお粥が欲しいけど、主人が病気のときに、そんなものあげたら余計具合が悪くなっちゃう(笑)。

 彼はチキンスープとか、ぎとぎとのハンバーガーなどを食べると元気になる。だから娘の具合が悪いと夫はチキンスープを作ってやれと言い、私はおじやを勧め「どっちがいい?」と聞くと、娘は「う~ん、果物でいい」とか言うわけです(笑)。

 私はこういう習慣のちがいやハプニングこそ、自分たちの家庭を築くにあたっての色だと思っています。ちがいに「え~?どうして」と悩むのではなく、私は「そうか、そういう考え方があるのか」と分析しながら入るから、受け入れやすいんですね。

 娘は11才になりましたが、うちの家族は本当に3人とも嗜好がちがうんです。夫と結婚するときに、毎年ちがう国を訪れようね、と話し合ったので、今も毎年なるべく家族で海外旅行に出ています。先日も家族でフランスに行ったんですけど、親子3人やりたいことが全くちがう。夫はいろんな美術館を見て歩きたい。私はとにかくおいしいものを食べたい。娘はユーロディズニーランドへ行きたいと三者三様。それぞれの希望を取り入れてスケジューリングするんですが、娘は美術館ばかり歩くのは多少うんざりしていたとしても、後でディズニーランドに行けると思えばがんばってついてくる。私もおいしいものをこの後食べさせてくれればがんばる、みたいな(笑)。

 私は正直言ってアートを見てもどこがいいのかわからないときもある。でも夫は詳しいので、その作品が描かれた社会状況などを説明してくれるんです。確かにそういう情報を得て見るとおもしろい。たとえ半分しか理解できなくても、触れなかったことに触れられることは貴重です。嗜好がちがう人と行くからこそ、旅にいろんな味わいが生まれるんだと思う。うちの家族は3人共、得意分野をお互いに紹介しながら楽しむ、いいチームワークを持っていると思います。来年の春には娘の発案で、ミャンマーに川下りをしに行くということになっているので、今から非常に楽しみです。

趣味も貪欲に。限りある時間を有効に使いたい


大田区で行われたフラダンスの発表会にて
(前列・中央)

 私は元々あれも知りたい、これもやりたいと好奇心が旺盛な性分です。

 仕事で海外に行っても、バスの移動時間さえもったいなくて、窓にはりついて景色を見ているぐらい(笑)。だから仕事中のちょっとしたあき時間、自分の好きな趣味の時間を持つようにしています。刺繍にレース編み、編みもの、きめこみ人形など、持ち歩けて、広げてもそれほど場所をとらないものを2~3種類、常に携帯し、たとえ10分でも時間ができたら手を動かしてます。私は常に何かしている方がリラックスするんですね。編みものなんて肩こらないの?と言われますが、手をせっせと動かすのは単純作業なので、いろんなことを考えて、思考を整理するのにいいみたいです。

 このところ、こっているのはハワイアンキルト。うちの娘のフラダンスのおけいこバッグを作ってあげようと思ったことがきっかけです。私は仕事をしているので、娘とべったり一緒にいられないので「はなれていても、あなたのことを思って1針1針縫ってるのよ」と点数稼ぎに使ったりしています(笑)。

ハワイアンスピリットに触れ自然と人間を考える

 自然と一体化するハワイアンスピリットには大変魅かれるものがあって、最近フラダンスにもはまっています。同じ事務所のみんなと始めたんですが、フラはゆったりした音楽にあわせた動きなので、忙しい時間からふっと抜け出せて、やさしい気持ちになるのがいいところ。また歌のストーリーを手の動作で伝えるんですが、これは心をこめないと伝わらない。

 演技というより、ある意味すごくピュアな心でいないと伝わらないんです。例えば花の香りを伝える動作の場合、それをイメージするために、実際に花を見たときに強く香りをかいでおいて、踊るときに、「あのときの香りは…」と思い出したり。ぼぉっと海を見ているときも、気がつくと波の音を聞いていたり、寄せては返す波の形を見つめていたり、今まで気づかなかったことや、あたりまえに感じていたことを意識するようになりましたね。そうすると、心がやさしくなるというか、あぁ、人間も自然の1部なんだなぁ…と、謙虚な気持ちになります。1日は太陽が昇って始まって、夜にはお星さまが出る。人間だけがえらいのではない。自分も自然の1部だから、わがままを言わず、自然と調和して暮らさないといけないんだなぁと、フラを始めて しみじみ思うようになりました。

 また、フラは言葉が通じなくても踊りを通して、ストーリーを伝えられるのが素敵なところ。もし世界中で同じ言葉を話せれば、もっと平和になるんだろうなんてことまで、フラを踊ると考えさせられますね。

これからは「和」の文化を追求したい


ちょっとしたあき時間には趣味の刺繍や
レース編みなどでリラックス

 誰も本気にしてくれないんですけど、今後は時代劇に挑戦したいと思ってるんですよ。元々、三味線の音を聞いていた方が居心地がいい環境で育った私の原点は「和」の世界。最近は男性も背の高い方が増えたので、私が鬘をつけても支障はないでしょう(笑)。

 外国に行くと非常に日本文化について聞かれますよね。他の国の方って、自国の文化にとても誇りを持っていて、みなさん自慢するんですが、海外で日本文化のことを自慢している日本人はほとんどいません。私自身、日本文化について知ってるようで知らなくて「歌舞伎」のこととか聞かれちゃうと「う~ん」となってしまうのは恥ずかしい。もっと日本文化に誇りを持たなくちゃ、と思うと同時に、日本の伝統文化をもっと勉強しようと思っています。

 和のおけいこも、縮緬で作るお人形や「さしこ」など、やりたいことはたくさんあります。人生は1度きり。これからも未知のことにどんどん挑戦していきたいですね



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