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管理に関するFAQ

総会・理事会の運営

役員に就任しない場合の役員免除金の徴収について

当マンション管理組合では、輪番制で役員に就任することとなっていますが、順番が回ってきても役員に就任しない人がいて困っています。役員に就任しない人から、役員免除金を徴収してはどうかと考えていますが、問題ないでしょうか。

 本問の役員免除金制度は、役員に就任する組合員と就任しない組合員との間に生じる不公平さを軽減することを目的とするものです。
 役員免除金を課すことは、区分所有者間の利害の調節に関する事項となりますので、管理規約の改定が必要です。(区分所有法第30条)
 また、管理規約の改定をする場合、一部の所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときはその承諾を得なければならないとされています。(区分所有法第31条)
 本問の場合の「特別の影響を及ぼすべきとき」に該当するか否かを判断する事項としては、役員就任が困難な外部組合員等の人数、必要とされる役員の活動内容、役員免除金の額等が考えられます。
 そこで、これらの考慮事項を総合的に判断し、管理規約の改定(役員免除金制度)が役員就任の困難な外部組合員等が受忍すべき限度を超えるものではないと判断される場合に「特別の影響を及ぼすべきとき」に該当しないとし、管理規約改定議案の決議にあたって、役員就任が困難な外部組合員等の承諾を得る必要がないことになります。
 このように、受忍すべき限度の範囲とは、個別の事案毎に総合的に判断されることであり、そこに明確な基準はありません。
 そこで、役員免除金制度の導入にあたっては、決議後の係争を防止する観点からも役員就任が困難な外部組合員等に十分な理解を得ることが必要です。
 また、標準管理規約第37条2項では、「役員は、別に定めるところにより、役員としての活動に応ずる必要経費の支払と報酬を受けることができる。」とされています。この規定により、就任した役員に対して役員に報酬を支払うことで不公平さの軽減を図ることも一つの方法です。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2016年2月掲載

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2つの選択肢を総会議案に上程する方法について

大規模修繕工事の仕様について2つの案があり、どちらの案を採用するかについて理事会で決めかねることから、2つの案から選択する内容の総会議案を上程しようと考えているのですが問題ないでしょうか。

 2つの案を総会議案に上程する方法として、議案を複数に分け各案ごとの議案とする方法が考えられます。
 A案を第1号議案、B案を第2号議案とし、第1号議案が可決された場合、第2号議案は審議せずにA案で決定とします。また、第1号議案が否決された場合、第2号議案を審議します。そこで、第2号議案が可決されればB案で決定とし、否決された場合は、大規模修繕工事の実施が否決されたこととなります。
 このような議案とする場合、第2号議案には、第1号議案が可決された場合、本議案は審議せず廃案とする旨をあらかじめ記載しておく必要があるでしょう。
 ただし、このような議案は一般的でないことから、議決権行使者が誤って両議案共に賛成とすることがないよう、議案書を明快な内容とすることに、特に配慮しておくべきでしょう。
 管理規約に定める総会の決議要件は、理事会で承認された議案に対して賛否を問うことを前提としており、複数の案から選択することは想定していないと思われます。
 住民アンケートの結果を参考にする等の方法で、理事会で1つの案を定めてから、総会議案とすることが望ましいでしょう。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2016年3月掲載

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耐震補強工事の総会の決議要件は

理事長をしています。当マンションは、昭和55年の竣工で旧耐震基準の建物であることから、理事会で耐震補強工事を検討しています。施工会社と協議を重ね、ようやく工事内容および金額が確定したため、臨時総会を開催しようと考えています。耐震補強工事の総会決議要件は、普通決議で問題ないでしょうか。なお、当マンションの管理規約は標準管理規約に準じています。

 耐震補強工事は、共用部分の変更行為となり、「区分所有法」においては次の定めがあります。
 「共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く)は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決する」(第17条第1項)
 したがって、耐震補強工事の総会決議要件は、その工事内容が「形状又は効用の著しい変更」を伴うか否かによることとなります。
 耐震補強工事の内容が「柱や梁にシートや鉄板を巻きつけて耐震性を高める工事」のような建物の基本構造の変更を伴わない工事の場合は、形状又は効用の著しい変更とはいえず、普通決議(総会に出席した区分所有者の議決権の過半数の賛成)で足りるでしょう。
 工事内容が「柱の下部を切断し免震のための部材を挿入する工事」のような建物の基本構造の変更を伴う工事の場合は、形状又は効用の著しい変更と考えられ、特別決議(区分所有者及び議決権の各4分の3以上の賛成)を要するでしょう。
 一方で、「耐震改修促進法」においては、『所管行政庁が、区分所有建築物の耐震性について国土交通省の定める基準に適合していないと認定した場合、区分所有法第17条第1項の「区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議」を「集会の決議」とする』旨が規定されています(第25条)。
 この規定により、耐震性が不足し耐震改修が必要とされると所管行政庁が認定した区分所有建築物の場合は、基本構造の変更を伴う耐震補強工事であっても普通決議で足りることとなります。
 なお、上記の認定を受けるためには、管理者(理事長)による所管行政庁への申請が必要です。申請手続きについては、施工会社等に相談するとよいでしょう。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2017年1月掲載

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理事会の書面決議について

理事長をしています。理事会を開催したいのですが、理事のスケジュールが合わないため、なかなか開催することができません。理事会で決定したい事項を事前に理事に通知し、理事の書面による承認を得ることで理事会決議とすることはできないものでしょうか。なお、当管理組合の管理規約は、標準管理規約に準じています。

 標準管理規約では、理事会の会議および議事について、以下のとおり、コメントされています。
 『理事会には本人が出席して、議論に参加し、議決権を行使することが求められる』(コメント第53条関係(1)後段)
 『理事の代理出席(議決権の代理行使を含む。以下同じ)を、規約において認める旨の明文の規定がない場合に認めることは適当でない』(コメント第53条関係(2))
 つまり、管理規約に明文化しない限り、理事会の書面決議は認められないということです。
 逆に言えば、管理規約を定めることで理事会の書面決議は可能となりますが、書面決議が常態化し、理事会での議論が十分になされなくなることが懸念されますので、理事会の書面決議の導入は、慎重に検討するべきでしょう。
 また、書面決議を導入する場合も、書面決議で承認することのできる事項を、区分所有者からのリフォーム申請に対する承認決議等に限定するなど、書面決議を部分的に導入することも考えられます。
 さらに、管理規約を定めることで理事の代理出席は可能となりますが、上記のとおり、理事会の決議は、理事本人が出席して議論に参加して議決権を行使することが重要であり、代理出席の導入も慎重に検討するべきです。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2017年3月掲載

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