管理に関するFAQ

その他

個人情報取扱事業者としてどのようなことに注意すべきか

今、私は管理組合の役員をしていますが、個人情報保護法が改正されたことにより、管理組合も個人情報取扱事業者になったと知りました。管理組合としてどのようなことに気をつけたらいいのでしょうか。

 平成29年5月に改正個人情報保護法が施行され、改正前は、5000人以下の個人情報を取り扱う事業者は法の対象外となっていましたが、改正後はこの規定は廃止となり、個人情報を取り扱う「全ての事業者」に適用されることとなりました。
 この「全ての事業者」は法人に限らず、マンションの管理組合、NPO法人、自治会や同窓会なども含まれますので、管理組合の運営をするうえで、各居住者の個人情報を取り扱うに当たっては、次のような点に気を付ける必要があります。
 まず、利用目的をできる限り特定しなければならない(個人情報保護法第15条第1項)とされていますので、特定した利用目的はあらかじめ公表しておくか、個人情報を取得する際に本人に通知する必要があります。また、個人情報を書面で取得する場合は、利用目的を本人に明示する必要があります(同法第18条第2項)。
 また、取得した個人情報を書面で保管する場合は、施錠できる場所での保管、パソコン等でデータ保管する場合は、ファイルにパスワード設定を行うなど、漏えい防止のために適切な措置を講じなければなりません(同法第20条)。
 なお、取得した個人情報の利用は、特定した利用目的以外に利用することはできません。特定した利用目的以外に利用する場合には、変更した利用目的の通知・公表等をあらためて行い、本人の同意を得る必要があります。
 また、個人情報を第三者に提供するときは、警察や裁判所、税務署等からの照会など法令に基づく場合や、人の生命・身体・財産の保護に必要で本人の同意を得ることが困難である場合などを除き、あらかじめ本人の同意を得る必要がありますので、注意が必要です(同法第23条)。
 管理組合としては、個人情報の取扱いを明確にする方法として、組合員情報等を集める際の届出書に、あらかじめ利用目的を記載しておいたり、個人情報取扱細則を定めておくと良いでしょう。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2019年2月掲載

質問の一覧に戻る

民泊の営業を防止するには

マンションの一室を利用した民泊の営業が行われた場合、どんなトラブルが想定されますか。また、民泊の営業をされたくない場合どうすれば良いでしょうか。

 マンション内で民泊の営業が行われることによりさまざまなトラブルが起こるリスクがありますが、中でも、日本語が通じない、または、日本の慣習を理解していない外国人利用者によるトラブルが想定されます。よくある事例としては、ベランダなどの場所で昼夜問わず騒ぐなどの騒音トラブル、エントランスやマンション周辺でたむろすることにより、見慣れない外国人が生活環境に入っていることに不安を覚え、居住者の平穏が脅かされるといったトラブルが挙げられます。
 また、ゴミ捨てのルールを把握していない場合、ルールに沿わないゴミの廃棄がなされることにより、マンションの美観が損なわれる等のトラブルが起こる恐れがあります。
 民泊紹介サイトにて、ゲストルーム・バーベキュースペース等の共用スペースが利用可能であると紹介されていれば、これらの施設が占拠され、本来利用すべき居住者が利用できなくなる恐れもあります。民泊利用者はマンションの居住者とは異なり、マンションで長く暮らしていくわけではないので、施設が乱暴に使われることも考えられます。
 さらに、万が一これらのトラブルが発生したとき、相手が日本語の通じない外国人である場合、注意を聞き入れさせることができない、または、上手くコミュニケーションが図れないことにより揉め事に発展する等、二次被害が発生するリスクもあります。
 このようなトラブルを懸念し、自らのマンション内で民泊営業を行わせないためには、管理規約を改定することで民泊業者が入り込まないように対策をとる方法があります。
 住宅宿泊事業の届出書には【規約に住宅宿泊事業を営むことを禁止する旨の定めがない】ことを確認する項目がありますので、民泊業者が入居する前にあらかじめマンション管理規約を改定して民泊禁止の旨を定めておくことで、民泊事業の防止を図ることができます。ただし、民泊事業の許可を持たずに民泊事業を行う、いわゆる「ヤミ民泊業者」に対しては、管理規約改定だけでは十分な対策とはいえません。
 自らのマンションが民泊禁止マンションであることを広く居住者が認識し、認められていない民泊がマンション内で行われていないか居住者が気にかけていくことも、民泊に関するトラブルを防止するために必要となるでしょう。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2019年3月掲載

質問の一覧に戻る

豪雨災害の備えについて

マンション管理組合の理事をしています。近年、豪雨災害が全国各地で頻繁に発生しており、管理組合として検討し、何か備えをすべきと感じています。具体的に何から始めるべきでしょうか。

 例えば、お住まいのマンションは砂防指定地に指定されていますか?
 これは自治体の洪水ハザードマップや土砂災害ハザードマップにて確認することができます。身近なところから一人一人が意識を高く持つことが非常に重要です。一方で、近年のゲリラ豪雨等の異常気象下では、ハザードマップ上で危険がないとされる地域でも、河川の氾濫による冠水被害等が報告されています。これらの物損被害については、保険契約によりカバーできる場合がありますので、マンション保険に水災補償(注)を付保することについて保険代理店にご相談してみてください。
 特に、以下の条件に当てはまる場合には水災被害を受ける危険性が高まるため、早急に検討を始めることをお勧めします。
(1)敷地、駐車場、建物が前面道路より下がっている場合
(2)受水槽やエレベーター等の地下ピットがある場合
(3)建物の周辺に山や川がある場合
(4)砂防指定地に指定されている場合

注)水災補償とは、台風、暴風雨、豪雨等による洪水・融雪洪水・高潮・土砂崩れ等によって床上浸水または地盤面より45㎝を超える浸水を被り、損害を受けた場合等に保険金が支払われるプランです。補償内容は保険会社によって異なる場合があるため、詳しくは保険代理店にご相談ください。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2019年8月掲載

質問の一覧に戻る

管理費等は消費税増税の影響を受けるか

マンション管理組合の組合員です。2019年10月より、消費税率が10%に変更になりました。消費税増税に伴い、私たちが管理組合に支払っている管理費等も増額するのでしょうか。

 管理組合は、マンションの全ての区分所有者を構成員とする団体です。管理組合と組合員である区分所有者との間で行う取引は営業行為には該当せず、管理組合に支払う管理費等は課税対象とはならないため、管理費等は消費税増税の影響を受けません。
 また、現在は消費税率を例外的に8%に据え置く、「軽減税率」並びに「キャッシュレス・ポイント還元事業」という制度があります。
 例えば、外食を控えてテイクアウトを利用する、コンビニでは現金でなく電子マネーにて決済する等の工夫によって、消費税率を8%に抑えることができます。皆さまひとりひとりの工夫をお勧めします。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2019年11月掲載

質問の一覧に戻る

口座の管理に負担のかからないペイオフ対策の方法はないのか

ペイオフ(預金保護)の対策のために、複数の金融機関で口座を開設しているのですが、口座が増えてしまい、名義変更等の管理をするのに負担がかかっています。何か良い方法はないでしょうか。

 ペイオフとは、預金保険法に基づき、金融機関が破綻して破産処理となった際に、預金者の預金債権を保護する仕組みです。保護される金額の上限は、元本1000万円とその利息までと決まっていますので、その対策として複数の金融機関に預金を分散させている管理組合も多いのではないかと思います。
 しかし、近年では、ご質問にあるように、預金を分散させることで管理がわずらわしくなる点以外にも新たな問題が発生しています。
 1点目はマイナス金利政策の影響による低金利により、利息よりも残高証明書の発行手数料の方が高くなり預金に管理費用がかかる問題と2点目は口座維持手数料がかかるおそれがあるという問題です。
 口座維持手数料とは、口座を持っているだけで発生する手数料のことで、日本国内で導入している金融機関はまだ少数ですが、大手銀行を中心に年間1000円程度で導入する動きが出始めています。
 このように預金を分散させることによるデメリットが多い現状を鑑みると、預金の全額を、1つの金融機関にペイオフの対象となる無利息の決済性預金口座に集約すること、もしくは、破綻のリスクが相対的に少ない大手銀行に集約することにより、管理の費用や負担を軽減してみてはいかがでしょうか。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2020年7月掲載

質問の一覧に戻る