おじいちゃんへ

おれが子供の頃からおじいちゃんにはいろんな所に連れて行ってもらったね。
どっちかといえば無口で、表情を表に出さないタイプだったから、
当時は少し恐い人だと思ってた。でも、市内の道については誰よりも詳しくて、何歳に
なってもそのことを聞くと目をいつもより大きく開いて楽しそうにしゃべってくれたね。
自分が大人になってからは、おじいちゃんのことが分かってきた気がする。
無口でマイぺ-スというと聞こえがわるいけど、自分の感情に素直に生きられる
人だったんだと思う。やりたいことはやる、嫌なことは絶対にやらなかった。
おじいちゃんが食べるように、たまに味の少し濃いめの煮物を作って、野菜を
食べさせようとしたけど。肉ばっかり拾って食べて「ごちそうさん」って言って
自分の部屋に帰っちゃうんだもん。くそう、と思った。
最後は口から食べられなくなって、いつも「おにぎり食べたい」と言っていたね。
おにぎりいれといたから。向こうで食べてよね。 

                                      うみと

 

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