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Mansion Reform

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マンションの斜壁の弱点

 
道路斜線制限

 市街地に建物を建てる場合、土地代が高いため、許容容積いっぱいに建物を建てようとします。その場合、斜線制限(道路斜線、隣地斜線、北側斜線)の規制を受けることになります。例えば道路斜線制限は、道路の反対側からの距離に1.25または1.5(用途地域により異なる)を掛けた数値を高さの制限とするなどの規定があります。詳細は複雑なため割愛しますが、その制限いっぱいに建物を建てようとすると、斜線制限に沿った斜壁(勾配のついた壁)を作ることがあります。容積率(敷地面積と総床面積の比率)の関係で、斜壁にしないで壁を後退させて、その部分をルーフバルコニーとして設計することも多く見られます。

 斜壁の建物は、街中のマンションには少なからず見受けられます。この斜壁の仕上げがタイルの場合、維持管理に注意が必要です。過去にもタイルの剥落事故が起きています。斜壁は点検に危険が伴い、その表面を正面から見ることが難しく、赤外線調査も無理なので、管理がおろそかになりがちです。

 設計段階においても、斜壁は垂直面より漏水のリスクが格段に高くなるので、タイルの下地モルタルの下に防水層を設ける場合があります。

 斜壁は雨水の停滞時間も長く、垂直壁より太陽の熱影響を受けやすいので大きな収縮を繰り返します。防水層を設けた場合、熱の影響で下地モルタルの下の防水層の劣化が進行してモルタルごとタイルの剥離や剥落が起きる危険をはらんでいます。防水層のない場合も、熱収縮の影響でモルタルの付着強度が失われて、剥離する危険が大きいのです。国土交通省も注意を呼びかけています。

 現在、タイル仕上げのままの改修方法としていろいろな工法が提案されていますが、どれも一長一短あり、画期的な方法の開発が望まれます。見た目を無視して危険の除去のみを考えると、タイルを撤去して防水機能を持った塗装で仕上げるのが最善と思えますが、周囲がタイルでその部分だけ異種仕上げになるのも受け入れがたいのも事実です。改修の際には専門家と一緒に検討することが大事となります。