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園芸家/山口 まりさん

山口 まりさん
植物が生む豊かな暮らし
Profile

山口 まりさん/園芸家・「花を楽しむ教室」主宰
父の影響を受け、幼少時代から様々な植物と共に暮らす。千葉大学園芸学部で「花」を専攻後、月刊『自然と盆栽』編集部に勤務。退社後、グリーンコーディネーターの仕事に携わりながら、山野草・盆栽の栽培にも関わる。その後、「花を楽しむ教室」を主宰。子どもから大人まで花と緑との触れあいの楽しさ、植物の素晴らしさを伝えている。(一社)日本ハンギングバスケット協会理事、趣味の園芸講師等を務める。
https://www.facebook.com/mari.yamaguchi.969


コミュニティガーデンのメンバーで腐葉土づくり
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地域の高齢者と小学生が協働して学校花壇に花を植える
地域の高齢者と小学生が協働して学校花壇に花を植える

 ダリアの育種・生産をする園芸家の父の元に生まれ、植物との関わり合いが当たり前の中で育った。

 植物に関わりのない職業に就くということは全く考えずに、大学も園芸へ。この大学時代に知り合った方々が、今までの人生にも深く関わりを持つ知人となった。

 卒業後は、盆栽雑誌の編集、グリーンコーディネーターなどをなりわいとしながら、フラワーアレンジメント、いけばな、グリーンアドバイザー、ハンギングバスケットマスターなどの資格を取得。知人の紹介から園芸雑誌などに寄稿するようにもなった。

 子どもが小学生になりPTAの行事で寄せ植えを教えることになり、受講された方から、引き続き、寄せ植えを習いたいとの声が上がり、自宅にて“植物にはさまざまな楽しみ方がある”をコンセプトに「花を楽しむ教室」を開くようになった。

 教室に参加してくださる方に接してみると、「花好きと自称する方も、植物の知識が乏しい」ことや、「みんな当然に知っていると思っていた植物栽培の知識が、世間では知られていない」ことに気が付いた。このことが、今の活動の第一歩となった。

東京池袋・サンシャインシティで「ダリアの華展」を開催
東京池袋・サンシャインシティで「ダリアの華展」を開催
ガーデニング・シティを目指す千葉県市川市でのハンギングバスケット講習会
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 2000年前後の大ガーデニングブームのころは、それまであまり園芸に興味のなかった方もこぞって家の周りに花を植え、花のある暮らしを楽しむようになっていた。しかし、悲しいかな、植物を栽培するという知識が少ないため、思ったように花が育たなかったこともあり、ブームが去るとともに園芸を楽しむことから離れていった。

 こうして、花の消費(花壇苗や鉢物)が右肩下がりになり、園芸店や生産者など花業界は沈滞していった。そうした中で花の業界のひずみを感じるようになった。
(1)種苗会社は生産者の方しか向いていない。
(2)生産者の思いや植物の情報が消費者に届いていない。
(3)消費者の思いが生産者や種苗会社に伝わらない。
(4)植物を育てるための知識の欠如。
(5)植物を美しく心地よく楽しむための知識が少ない。
(6)若い世代の方があまり植物に興味がない。     など


 さまざまなところで、人と人、人と植物、植物と植物のミスマッチが起きているばかりでなく、若い世代(特に子どもたち)が園芸を楽しむ大人の姿を見ることが少なくなり、植物を育て愛でることが次の世代に伝わらなくなっているように思う。これでは、ますます、園芸を楽しむ人口が減ってゆく負のスパイラルに落ちいっていくのではないだろうか。

 植物は人にとってはなくてはならないもの。人が生存するために必要な食料や酸素の供給源であるが、そればかりでなく人々の暮らしに潤いや癒やし、安らぎを与え、さらに人と人とのコミュニケーションのツールにもなっている。

 社会人になるときに、園芸業界のどの部分(開発、生産、流通、消費・利用など)で働くかを考えたときに、消費・利用の現場でと思い、販売やグリーンコーディネーターの仕事に携わった。園芸業界のほとんどの分野に知り合いがいる中で、生産部分と消費者の橋渡しをするのが、自分自身の役目ではないかと思うようになった。その思いを知人たちに話すと、喜んで応援すると言ってくれた。

 そのために植物をPRするイベントに積極的に参加するばかりでなく、与えられた役割(日本ダリア会・日本ハンギングバスケット協会・グリーンアドバイザーの会などの役員や世話係)はもちろんのこと、園芸・植物の知識を伝えるために各地での園芸教室などの講師、子どもたちなどに植物との触れ合いを伝える花育教室、植物を通じて地域のつながりをつくるコミュニティガーデンの指導など、積極的に関わるようにしている。

 一人でも多くの園芸好き・花好きが増えることを願い、植物を通して豊かで心地よく、楽しい暮らしができるよう、これからも東奔西走する日が続くであろう。


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