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子育て支援のNPO まめっこ理事長/丸山 政子さん

丸山 政子さん
子育て支援は「まちづくり」「社会づくり」
Profile

丸山 政子さん/子育て支援のNPO まめっこ理事長
1950年生まれ。93年、「親も子も主人公」を合言葉に親子教室を主宰。2000年、NPO法人子育て支援のNPOまめっこの理事長に。15年、名古屋市の子ども・子育て支援センターの顧問等を務める。同センターは10月31日13時から名古屋市にあるナディアパークにてイクボスフォーラムを開催予定(参加無料・事前申込制)。
http://mamekko.org


孤立した子育て経験がきっかけ

 私は夫の転勤で移り住んだ名古屋で子育てをしました。土地勘もなく、友達もいない。しかも、頼れる親は遠く、子育てを楽しいと思う余裕はありませんでした。ゆっくり寝ることもできないまま、一日中、家事と育児に追われていました。夫は仕事で疲れて帰ってくるので夫婦での時間もとれません。家で子どもと二人ぼっちで暮らし、大人と会話できるのはたまに来る生協の配達の方ぐらいでした。社会とのつながりがないまま閉塞感や孤立感の中で子育てをしてきた経験が、子育て支援活動のきっかけになりました。1993年に遊びの場や親同士での交流の機会を提供する「まめっこ親子教室」をスタートさせました。この活動が2000年に設立した現在の子育て支援「まめっこ」のベースとなっています。そして、2003年7月に、名古屋市北区にある柳原通商店街に0〜3歳の子どもと大人の広場「遊モア」を開設したのです。この子育て広場「遊モア」を商店街に開設した目的は3つあります。

 1つ目は、性別役割分業社会を払しょくするきっかけにしたいということでした。つまり、男女ともに仕事と子育てや介護を両立できる環境を創り出して、地域社会を変えていく拠点にしようと考えたのでした。

 2つ目は、子どもへの虐待の予防です。地域で孤立し、不安や悩みを持つ親子が、その思いを共感できて支援が受けられる場にしようと考えました。

 3つ目は、商店街のにぎわいの創出です。商店街は商売が活発に行われると活気が生まれます。商店街に子育て広場があって、若い親子が行き交うことが、街の活性化につながると考えました。

活動が商店街や行政へとつながって

商店街のおかみさんによるおやつ作り
商店街のおかみさんによるおやつ作り

 「遊モア」の開設当初は、経済産業省の空き店舗活用事業として補助金を3年間いただきました。商店街の理事の方から「もうかるかい」と聞かれ「もうかりません」。「人は来るのかい」と聞かれ「人は来ます」。また「一日何しているんだい」と聞かれ「親子で一日遊んで過ごします」と答えると「優雅なもんだね」と言われたものでした。

 しかし、商店街のおかみさんたちからは「私の子育てのときにこんな場所がほしかった。あれば利用したのに!」という声が聞かれたのです。そこで、商店街のおかみさんとまめっこが「F・Fの会」を立ち上げて、おかみさんたちがボランティアで「餅つき」や「そうめん流し」など、楽しいイベントを遊モアで行いました。一方で、まめっこのスタッフは商店街のお祭りにボランティアで関わることになり、相互にサポートする関係が築かれました。その結果、商店街にはベビーカーで歩く親子が多くなりました。

 現在のまめっこは、スタッフが12人で、基本的に月〜土曜日の9時30分〜14時30分まで「遊モア」を開いています。2015年度は、248日開設し利用者数は1980人(1日平均4組程度)でした。

 また私は、2016年から名古屋市の子ども・子育て支援センターをコンソーシアムで受託し、顧問として関わっています。

先進国カナダとフランスでの子育て

新聞ビリビリ
新聞ビリビリ

 視察で行ったカナダには、子どもの虐待防止の一環として「ファミリーリソースセンター」があります。移民の国カナダでは、「虐待は誰にでも起こるもの」という考えがあり、親子で利用できる場としてセンターを設けています。また、フランスには「ラ・メゾン・ヴェルト」という施設があり、子育て中の親が仲間と出会い交流したり、スタッフに悩みを相談できたりする場でした。

 これらの体験を基に、「遊モア」をつくりました。遊ぶスペースには木・布など素材にこだわったおもちゃを置き、子どもはママや他の親子と楽しく遊びます。また、交流スペースや授乳コーナーもあり、カウンターではコーヒーが飲めて、親もゆったり過ごせるようにしました。

これからの「つながる」「つなげる」子育て支援

あおぞら広場
あおぞら広場
商店街の冬まつりでの「落書きアート」
商店街の冬まつりでの「落書きアート」

 最近のまめっこの活動として、3つ紹介します。

 1つ目は、遊モアを利用しているママたちのボランティア活動「まめっこサポーター」です。地域で孤立している親子をなくすために、「まめっこサポーター」の力を借りて、区の民生子ども課、民生委員、児童委員、児童館、北区社会福祉協議会、保護司の方などと共に、公園に絵本やおもちゃを持っていき「あおぞら広場」を実施しています。その他に、ママたちの特技を生かしたコンサートや絵本の読み聞かせなどのイベントも行っています。

 2つ目は、大学との協働で行っている「赤ちゃんとの交流授業」。学生がいずれ親になるときの不安を軽減し、保育士や看護師・助産師の研修の場にすることなどを目的としています。

 3つ目は、企業との協働で話題になっている自主事業「家族の絆レストラン」。家族の絆を改めて実感できるプログラムで、乳幼児とその家族14組が参加します。「パパのクッキング」、「夫婦だけのランチタイム」、「相互子育て体験」の3つの楽しさが一度に味わえるファミリーイベントです。企業からは、会場や材料などの提供や寄付金をいただくことで、子育て家庭の応援をしていただいています。

 こうして子育て支援に関わってきましたが、思うことは「子育て支援はまちづくり」で、これは今後の目標になります。少子高齢化が進む中で、地域社会が子育てや働く人々にとってやさしい環境になるように考えつつ、楽しい企画も提供しながら、社会を変えていきたいと考えています。


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