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クラビオーラ奏者/折重 由美子さん

折重 由美子さん
「クラビオーラが奏でる音色から…」
Profile

折重 由美子さん/クラビオーラ奏者
2歳でピアノを始める。音楽教室で講師を務める傍ら、音楽理論を学び、カワイドリマトーン全国大会で銅賞に入賞し、最上級のグレードを取得。その後、ジャズピアニストの塚原小太郎氏に師事し、国内、国外のトップミュージシャンと数多くの共演を展開。1999年にバンド「こゆみこ」を立ち上げる。希少な楽器「クラビオーラ」奏者としても各界から注目を浴びている。
http://www.orishigeyumiko.com


 幼少から音楽を聴くのも、ピアノや電子オルガンで音楽を演奏するのも大好きで、ずっと音楽に関わってきました。中学生のころからはバンド活動も始め、人と音を紡いでいくことに魅せられ、音楽を自分の人生の軸として生きていけたら…という想いが膨らんでいきました。

 専門学校を出て、すぐに音楽教室の講師をしながら演奏活動もしていました。

クラビオーラ

 そうして出合ったのが「クラビオーラ」という木管楽器。最初はライブのために、鍵盤ハーモニカを購入するつもりで楽器店に行きましたが、そこにクラビオーラの載っているカタログがありました。木でできている鍵盤ハーモニカということで、すぐに欲しくなりました。問い合わせたところ、今は製造も販売もされていないということでしたが、どうしてもその音色が聴いてみたくなり、「もしもあれば教えてください」とお願いしました。数カ月後に楽器店から「壊れているけれど見つかりました!」と連絡がありました。修理して使えばいいと思い、購入しました。

 修理をして使ってみると、確かにデリケートな楽器であることがよく分かりました。音が鳴りっぱなしになったり、出なくなったりと手のかかる楽器です。しかし音色にとても魅せられ、この楽器を吹いていこうと決意しました。そんなときに、デイサービスでの訪問ライブでクラビオーラを演奏する機会がありました。

今年音楽生活30周年を迎え、記念コンサートを全国で開催
今年音楽生活30周年を迎え、記念コンサートを全国で開催

 最後のアンコールで『故郷』を演奏している際に、急に後方の席のご老人が拍手を始め、歌を歌いながら立ったのです。その姿を見て、スタッフの方々が泣きながら拍手をされました。私はかなり驚きましたが、その空間に感動し、泣きながら吹き続けました。後で話を聞くと、その方はご主人を半年前に亡くされ、ずっとふさぎ込まれていたそうです。デイサービスには通われているものの、誰とも話もせず、歌も歌わず、そんな日々だったそうです。クラビオーラで吹いた『故郷』のメロディーが、その方の心の底の琴線に触れて、何かがあふれたのかもしれないと思いました。このことをきっかけに、「いろいろな方向からクラビオーラの音色を研究したい」「そして、この音色をもっとたくさんの方に届けていきたい」という気持ちが芽生え、クラビオーラの音色をメインにしたライブやCDの制作を数々行ってきました。

自然の中で奏でるクラビオーラ
自然の中で奏でるクラビオーラ

 クラビオーラを手にして16年目ですが、何度も壊れて、何度も吹くのを諦めそうになりましたが、周りのメンバーや支えてくれるスタッフや楽しみにしてくれるファンの方々のおかげで、ずっと吹くことができています。このクラビオーラに出合って心から幸せです。この音色を聴いて、少しでもゆったりとした温かい気持ちになってもらい、周りに優しい眼差しを向けていただけたら幸いです。

 小さな楽器の音色からですが、世界平和につながるきっかけに、少しでもなれれば、ありがたいです。そして、この楽器を通して学んだのは、心を込めれば想いは必ず通じるということ。ステキな宝物に出合ったこの人生を大切に生きていきたいと思います。



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