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マンションコミュニティ研究会代表/廣田 信子さん

マンションコミュニティ研究会代表/廣田 信子
「お隣に『切手のいらない年賀状』を」
Profile

廣田 信子/マンションコミュニティ研究会代表
マンションコミュニティ研究会代表。一級建築士、マンション管理士。マンション管理に関する研究、セミナー講演などで全国の関係者と交流。マンション管理の究極の目的は居住者の快適や安心の創造、そのためには新しいコミュニティの形が必要と、仲間と共に研究会を立ち上げ活動中。
http://www.mckhug.com



 縁あってマンションにずっと関わってきました。マンションは、上京し子育てをしながら仕事を続けてきた私の30年間の暮らしそのものでもあります。「幸せに暮らす」を考え続け、私の関心はハード面の「建物」からソフト面の「管理組合運営」へ。さらに人と人との「つながり」にシフトし、マンションコミュニティ研究会を立ち上げました。集まって暮らすことを積極的にとらえ、コミュニティを大切に育てることを目指しています。

マンションコミュニティ

設立記念フォーラム

設立記念フォーラム

月例勉強会の様子 コミュニティ、コミュニケーションに関する参加型の勉強会

月例勉強会の様子
コミュニティ、コミュニケーションに
関する参加型の勉強会

年賀カード・コミュニティカード

年賀カード・コミュニティカード

家で眠っているカードや絵はがき

家で眠っているカードや絵はがき

 マンションは無関心の集まりで人間関係が希薄といわれますが、本当にそうでしょうか。親元が遠い私は、近隣の方々にずいぶん助けられたものです。私にとって、マンションは個々のライフスタイルが尊重されながらも、いざとなったら3秒でお隣というありがたい住まいでした。

 そんな私も子育てが終了し今のマンションに引っ越したところ、子どもという媒体がいないと、ご近所での関係はつくりにくいということを実感しました。マンションの外に友人がいたので特に困ることはなかったですが、マンション内での「つながり」の希薄さがずっと気になっていました。

 今後、単身や子どものいない世帯は増える一方です。さまざまな形の家族が負担なく「つながり」をつくるきっかけが必要だと強く感じました。上下間のトラブルもお互いを知らないために、こじれることが少なくありません。お隣、上下に暮らすことになったのも「ご縁」と考え、さりげなく気配りができれば、コミュニティは変わります。

 一方、近過ぎるゆえに、距離感を間違うと面倒に巻き込まれることがあるのも事実です。それが嫌でご近所と付き合わないという人も多くいます。

 ベタベタとした付き合いではなく、いざというときには助け合える、そんな大人の付き合いができる都市型コミュニティの提言が必要です。

つながり感が不可欠

 管理組合運営の視点で見ると、最近、法律などの知識を持つ人が増え、かえってトラブルになっている例も少なくありません。人間関係のベースがないところで意見が対立すると、理屈での勝ち負けを争うことになり、すぐ訴訟などになりがちです。

 無関心と対立とは両極端のようで、根は同じ。人とつながって生きているという安心感がないのです。どんな人でも本当は周囲との「つながり」を必要としているはずです。「人の間で生きる」のが人間なのです。

 最近、孤独死や幼児虐待にもつながる母子の引きこもりの話を身近で聞くようになり、できることをしなくてはという気持ちが強くなりました。

 そんなとき、身近な人からカードを頂き感動することがありました。あらためて、言葉の大切さ、手書きの文字の力を実感しました。行動を起こしたいと思っていた私を後押ししてくれる出来事でした。

 そこで、忙しい人でも、会話が苦手な人でもできるコミュニケーションの手段として、カードを活用してみようと思い立ちました。

 さっそく親しい仲間に呼び掛け、活動を始めて数カ月。女性10名の理事を中心に、仕事と両立させながら頑張っています。「女性だけの会?」と聞かれますが、会員は男性の方が多いぐらいです。フォーラム、勉強会、冊子作りと、思えば多くの方に賛同してもらい、ここまできたことが奇跡のようです。「行動すれば道が開ける」ということを感謝とともに実感しています。

切手のいらない年賀状を

冊子「カードdeコミュニケーション」

冊子
「カードdeコミュニケーション」

 家庭にはたくさんのカードや絵はがきが死蔵されています。それを生き返らせ、マンション内のカード・コミュニケーションに使おうという運動をしています。コミュニティをハグくむ「HUG」をシンボルにしたシールを作成し、カードや絵はがきに貼ることで簡単にコミュニティ・カードが作れるようにしました。この取り組みを始めているマンションもすでにあります。

 現在は、来年のお正月にお隣に「切手のいらない年賀状」を届けてみようという運動に全力を注いでいます。Eメールがどんなに普及しても、年賀状は日本人に根付いた習慣で、「カード」で気持ちを伝える、1番始めやすい形だからです。使用するカードをセットにし、趣旨について説明した冊子「カードdeコミュニケーション」も作成しました。多くのマンションで取り組んでもらえるようにとの願いを込めています。

  コミュニティをハグくむには、どんな理屈よりも行動することに意味があります。最初は一人、二人でも、それが年を追うごとに広がっていく。1枚の年賀状から始まったゆるやかな「つながり」が、やがて大きく育ち、「安心」でつながるコミュニティが築かれる。そんなことを夢見て、ご近所で年賀状を交換するのが習慣になる日まで頑張ります。

 「カードdeコミュニケーション」を各戸に配布し、「切手のいらない年賀状」運動に参加してみようと思われる管理組合はぜひご連絡ください。お待ちしています。⇒info@mckhug.com



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