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サンドアート画家/椿 AKOさん

サンドアート画家/椿 AKO
「サンドアートは点描画」
Profile

椿 AKO/サンドアート画家
サンドアートの立体、平面の画家として活動。大阪花の万博公式ポスターなど作品多数採用。モナコ公国主催インターナショナルフェア出展、インド・バンガロールにて講演、2007年香港・個展椿明子的沙芸世界展など。よみうり神戸文化センター講師、その他カルチャーセンターでの教室、アトリエにて教室。
http://www2.ocn.ne.jp/~sandart/



 サンドアートは、色の付いた砂で作る芸術のことで、立体と平面の作品があります。

 立体は、カラーサンドをガラス容器の中に積み上げて、風景などの絵を作り出したものです。キャンドルにしたり、観葉植物を入れてグリーンインテリアにしたりと楽しむことができます。

 平面は、カラーサンドをカンバスに貼り付けて絵画を描いたものです。カラーサンドで描くということは、色が粒状になっているということです。水彩や油彩のように筆で描くのではなく、色の粒であるカラーサンドを接着剤で貼り付けて、一つの絵を描きます。

 私は、サンドアートも、水彩や油彩と同様に絵画のジャンルとして、無限の可能性を秘めていると信じています。しかしながら、絵画技法としてのサンドアートはあまり普及していません。

椿AKO作品『花と蜜蜂』

椿AKO作品『花と蜜蜂』

 近代絵画史で、印象派の後に現れた新印象派の中にスーラという画家がいます。スーラは、点描という技法を生み出しました。点描は、線ではなく、点の集合や非常に短い筆のタッチを用い、色彩の美しさを追い求めるために、そこに光学的理論を取り入れた技法です。さまざまな色の点(色粒)で構成された画面は、網膜で混色され、美しい色彩となって目に映ります。サンドアートは点描画だといえます。

 スーラがいた19世紀と違い、現在は、写真や絵を印刷するのにプリンターが用いられます。サンドアートは、プリンターの原理と同じですが、その作業を手で行います。様々な色粒がカンバスに貼られると、網膜上で色が混ざり、美しい色彩をあらわすことができます。そして、色粒がある程度の大きさを持つと、その粒一つ一つの色彩に光と影が生まれます。それは絵に輝きを与えます。またサンドアートは、太陽光、照明によって、絵の表情が変わります。

カラーサンド定番の10色

カラーサンド定番の10色

 私が使用しているカラーサンドの色は定番の10色で、赤、橙、黄、緑、空、青、紫、茶、黒、白です。

 素材は軽石で、軽石に色を染み込ませて着色したカラーサンドを使用しています。鉱石などで描くと重い印象の絵になりますが、軽石なら軽い仕上がりの絵になります。カラーサンド以外にも、自然の砂やビーズ、水に溶けない粒状の物などあらゆるものを使います。

 私にとっての絵の具は、色の付いた粒たちです。色粉を水で溶かして描くのが水彩、油で溶かすのが油彩、色を粒にしたものを貼るのは粒彩とでも言うのでしょうか。

 サンドアートは色彩教育の面でも可能性にあふれています。水彩、油彩の場合、自分の好きな色を作る時、チューブから絵の具を出して、パレット上で混ぜ合わせることになります。以前に作った色と同じものを作りたいと思っても、全く同じ色を作るのは大変です。5色6色と複数の色がそれぞれ異なる分量で混ざっていると、同じ色を再現するのは難しい作業です。

椿AKO作品『太陽と月』

椿AKO作品『太陽と月』

 カラーサンドでの混色を考えてみてください。スプーン1杯を基準に混ぜた色を記録しておけばいいのです。例えば、赤色をスプーン3杯、黄色をスプーン2 杯というように記録すれば、かなり正確に同じ色を再現できます。純色の色粒の混合で、網膜上に違う色を感じることは不思議で楽しい作業です。色をスプーン 1杯と数えられるのも便利です。こういった手法での色彩教育がまだないのが残念です。これから提唱していきたいです。

 立体作品については、インターネット上の動画投稿サイトにサンドアート制作動画を投稿しています。その作品を見た香港の企画会社から依頼を受け、香港で 1カ月間、絵画作品と立体作品の個展をする機会も得ました。アトリエや文化サロンでの講習では、生徒さんも少しずつ増えてきました。これからも、人々を魅了できるようなサンドアート作品を制作できるよう研究を続けたいと思っています。そして、多くの方にサンドアートを知っていただけるよう活動していきます。







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