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パーチメントクラフト作家/柴田 立江さん

パーチメントクラフト作家/柴田 立江
「パーチメントクラフト 清楚で繊細な魅力」
Profile

柴田 立江/パーチメントクラフト作家
パーチメントクラフト教室Wの空間主宰。1997年IPCA国際講師資格取得。2003年12月NHKおしゃれ工房出演、「ペーパークラフトでロマンチッククリスマス」を担当。2005年5月別冊NHKおしゃれ工房「紙で作る!」にて作品紹介。2005年オランダ・ペルガマーノインターナショナルより「ランゲージ・オブ・フラワー」、2008年2月には「Love & Roses」を世界34ヵ国に向け出版。(財)日本手芸普及協会会員。ホームページ : http://www.daburyu.com/



心のこもったグリーティングカード

心のこもったグリーティングカード

大人気のウェルカムボード

大人気のウェルカムボード

パーチメントクラフトの発祥地はどこですか。

 南米コロンビアといわれています。「パーチメント」は動物の皮を加工して筆写の材料としたもの。紙の普及以前にパピルスと同時に使われ、パピルスの入手困難な土地ではパピルスの代わりに羊皮紙やそのほかの材料を使いました。紀元前2世紀から1世紀に、現トルコ領のベルガマにあたる歴史的都市、ペルガモン(Pergamon)で、羊皮紙の生産と使用が奨励されました。スペインの南米征服によって技法が南米に伝えられました。20世紀に入って専用の紙(パーチメントペーパー)が生み出されました。

どのような作品がありますか。

 ヨーロッパでは古くからの風習があるように、主にグリーティングカードが中心になっています。ほかでは見たことのない白く透けるレースのようなカードに気持ちを込めて作って送るのでしょう。日本人はいろいろな分野でアレンジ上手!各地でいろいろな先生方が工夫を凝らして作品作りに励んでおられます。Wの空間で1番人気はなんといっても「ボード」です。「ボード」?といってもお分かりにならない方もみえるでしょうね。ブライダルには欠かせない「ウェルカムボード」を筆頭に、ウェディングボード、サンキューボード、メッセージボードと、カードに比べると大きめのA4からA3サイズの「ボード」を皆さんが作られます。アレンジ次第でドレスのような立体物やテーブルセッティング、素敵なオブジェなど工夫を凝らせばいろいろな作品が出来上がります。

パーチメントクラフトの技法について

 西洋には「パーチメント」という色があります。それは薄いグレーで羊皮紙、「パーチメント」の色です。トレーシングペーパーを思い浮かべていただくとよいかもしれません。パーチメントクラフトの技法には大きく分けて「トレース」「ペイント」「ドルソ」「エンボス」「パーフォレーティング」「カッティング」があります。「トレース」は図案を透けるパーチメントペーパーを利用して写し取ることです。「ペイント」はいろいろな絵の具やインクを使って色付けすることです。また耳慣れない「パーフォレーティング」とは数種類の「針」を使ってパーチメントペーパーに穴を開けることです。そして「カッティング」とは眉はさみのような形の専用はさみで「パーフォレーティング」の針穴をカットするものです。純白な作品も素敵ですが、カラーやグラデーションの作品もとてもきれいです。毎年各地で体験会がございますので、ぜひご参加いただければと思います。

誰でも簡単にできますか?

 ご説明したような一見難しく、細かい作業ですから、さぞ大変かと思われますが、70才を過ぎた生徒さんも多いですよ。その出来栄えを目にして、まるで 10代の少女のように「かわいい」「素敵」と目を輝かせる姿をたくさん拝見します。80才に手が届きそうな方が「かわいい」と微笑んでいる姿を想像してください。皆さんどなたも微笑ましく、女性ならではの「かわいさ」を年齢に関係なく見つけることができます。そんな姿を目にすることができるのは、教える側の人間にとっては大きな喜びで、もっとそんな笑顔に出会いたくて、試行錯誤を繰り返すのかもしれません。

パーチメントクラフト、そしてマーサとの出会い

素敵なキャンディーボックス

素敵なキャンディーボックス

「Love & Roses」の作品から

「Love & Roses」の作品から



 子どもが小学生の低学年のころ、同級生のお母さまからパーチメントクラフトを教えていただく機会を持ちました。そのころは正直それほどやってみたいという気持ちはありませんでした。初めは親しい友人を集めて楽しんでいましたが、口伝てに少しずつ広がっていき、個人輸入でオランダから道具を取り寄せては少しずつ教室という形になっていきました。1996年ごろでしょうか、もちろん国内ではパーチメントクラフトを教えるところはありませんでした。教室としてカリキュラムが必要でしたが、何もかも一から準備しなければなりませんでした。辞書を片手に、海外で出版された英文の本に向かっていた当時の姿を懐かしく思い出します。

 パーチメントクラフトの道具や本を世界的に販売しているのは、オランダのペルガマーノインターナショナルという会社です。その当時は日本に代理店もありませんでしたから、個人輸入をしていた私たちをつてに、その会社の社長さんと奥さまがお見えになりました。その奥さまがマーサ・オスピーナという女性でした。南米出身で陽気な彼女は、オランダ人のご主人と結婚され人生が急展開、今では世界三十数ヵ国にパーチメントクラフトを営業展開されています。彼女が来日する際は毎年名古屋に立ち寄っていただき、スタッフともども友好を深めていきました。

テーマは17才のバースデー

テーマは17才のバースデー

先生の活動について(今、そして今後)

 講師として教える側は、いうまでもなくまずテクニックをしっかり身に付けていなければなりません。講習の前に、自分自身反復練習して確認することが必要です。いざ教えるという際には、いろいろな生徒さんがいらっしゃいますので、指導にも工夫しなければなりません。Wの空間では「複式」といって、初級から上級者まで一緒に講習します。ですからさまざまな生徒さんによって講習の切り替えがとても大変です。何より生徒さんの習得具合を見極め、いろいろな対応が要求されます。私の得意技は、生徒さんが失敗して落胆した場合、それを逆に生かして1つの作品になるように盛り上げることです。これがうまくいくととても快感なのです。

 マーサとの出会いから、私自身のオリジナル作品を見ていただいたり、オランダ側へ図案を提供したりしていく中で、私の「本」が現実のものになりました。 2005年には「The Language of Flowers」がオランダから世界三十数ヵ国に出版されました。担当者との連絡、図案や校正のメールでのやり取りが、インターネット時代の恩恵として大きく貢献してくれました。そして今年2月には2冊目の本「Love & Roses」がまた同様に出版されることになります。2冊の本はいずれもオランダ語、英語で出版されます。次の目標は「日本語」の私の本を出版することです。

 作品の出来栄えに大きく影響するのが図案です。パーチメントクラフトで1番重要なこの図案が、全体的にバランス良く、センスあふれるものであれば、素晴らしい作品の出来上がりが予想できます。今までたくさんの図案を元に数えきれない作品を作ってきました。また独自のカリキュラム作りで多くのテクニックを、初級から上級、講師コースまで、段階的にテクニックを振り分ける作業、作品作り、図案作りはとても時間もかかりましたが、「図案」というものがとても重要であると再認識しました。図案とテクニック、そして作品…素晴らしい作品になる「図案作り」とともに、独自のインスピレーションを大切に、イメージを膨らませて作品作りに携わっていければ幸いです。

ゴージャスなパーティーをイメージして

ゴージャスなパーティーをイメージして

立体的な花は白く透けとても清楚

立体的な花は白く透けとても清楚

Wの空間に込めた思い

 パーチメントクラフト教室Wの空間といえば習いごとか何かの教室?と思われるでしょうが、初めてWの空間と聞いて何をやっているかお分かりになる方はいらっしゃいません。ドアの向こうに広がるとっても怪しい空間とも…。しかしパーチメントクラフト愛好家の中では、ホームページをご覧になり、ご存知の方も多いと思います。NHKのおしゃれ工房をご覧になられた方は記憶に残っているかもしれませんね。現在のスタッフの集まりで、教室の名前を付けようと話し合った際、「私たち」「みんな」の集まれる場所というイメージで、そこから「We」の集まる場所、「私たちの空間」ととてもストレートなネーミングとなりました。「パーチを愛する者、来るもの拒まず」…皆さんぜひ一度いらっしゃいませ!

[インタビュー/文:安井]











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