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広島大学経済学部 公開講座 一新塾塾長 大前研一

「構造改革と日本経済のゆくえ
一新塾塾長 大前研一
Profile

大前研一/一新塾塾長
1943年、福岡県に生まれる。早稲田大学理工学部卒業後、東京工業大学大学院原子核工学科で修士号を、マサチューセッツ工科大学院原子力工学科で博士号を取得。日立製作所原子力開発部技師を経て、1972年マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク入社。以来ディレクター、日本支社長、アジア太平洋地区会長を務める。
「ボーダレス経済学と地域国家論」提唱者。1987年にはイタリア大統領よりピオマンズ賞を、1995年にはアメリカのノートルダム大学で名誉法学博士号を授与。
1992年11月には政策市民集団「平成維新の会」を設立、その代表に就任。1994年7月、20年以上勤めたマッキンゼー・アンド・カンパニー・インクを退職。同年、国民の間に議論の場を作るとともに、人材発掘・育成の場として「一新塾」を設立、96年には起業家養成のための学校「アタッカーズ・ビジネス・スクール」を開設、塾長に就任、現在に至る。
大前研一のホームページ:http://www.kohmae.com
ビジネスブレークスルー:http://www.bbt757.com


 ご紹介頂きました、大前です。

 広島大学に来るの初めてなんですけれども、いろんな分野の方が居られるんで、共通のテーマというのは、難しいんですけれども、「構造改革と日本経済のゆくえ」というテーマ頂いています。

 構造改革というのは、小泉さんなんかによらずに、どんどんこの10年間の間に起こっていまして、
例えば、新外為法っていうのがありますね。為替を扱う法律ですけども、日本人は世界の何処でもどの通貨でも好きに貯金してよろしい。こういう法律は通っています。もう4年前に。

 ところが、日本人は未だに郵便貯金を240兆円も置いているんです。これ、1番不利な預金なんですけど、あと定期預金に230兆円置いていますね。これは、4月からペイオフということなってきたら、どうなるのかということなんですけども。

 籠の鳥の籠が外れているのに、まだそこに止まっているという、非常に従順な国民でありますので、殆ど実際には構造改革が起こっちゃったんだということを知らないんじゃないか。

 今は世界で最も有利な国に持って行って、最も有利な運用方法を極端に言ったらインターネットでやっちゃったってかまわない。法律違反じゃないんですよ。

 唯一、それで儲けすぎちゃったときには、本国で合算して所得税の申告しなさい。この申告のところはやらなきゃいかんですよ。

 だけど、そういうことを妨害している法律はもう無くなっているんです。ただ、法律が変わっても何もしないという変わった国民ですから、こっちの方が問題なんですね。

 アメリカに貸すほど日本に金がありながら、全く、この金が動いていないということはですね、画期的なことです。

 電気通信法っていうのも変わりまして、電話料金ももう殆ど自由に決められるようになっています。

 ですから、月々かけっぱなし、定額制というようなものも出ています。携帯電話はまだですけど、固定電話の方は出ています。

 インターネット電話っていうのが出ていまして、かけっぱなしで、殆ど3分10円とか、そういう世界です。世界中何処にかけても。それなのに、従来どおり0011とかかけている人がいるんです。

 先端を行っているところは、ボイス オブ アイピ(VOICE OF IP)というインターネットの技術を使って、世界中何処にかけても市内通話と同じ値段というのが、当たり前になってきている訳です。あるいは、コールバックとかね。

 それから、ADSL っていうのがありますね。ブロードバンドはADSLとか、光とか、あるいはケーブルテレビでやるんですけども、これも今世界で一番安くなっている。

 日本の通信代は高いなんてみんな異口同音に言っていますけれども今、アメリカの半分くらいの値段なんです。月々、かけっぱなし、繋ぎっぱなしで980円。

 ですから、インターネット不況と言われますけれども、値段が安すぎて、こういう風な会社がなかなか利益が出ない。

 日本は通話料高いからなぁ。って枕詞みたいに言っていますけれども、実際には、アメリカは、元28ドル、今38ドルになっています。日本の通話料は半分くらい。かけっぱなし、繋ぎっぱなしで。

 そういう風なことが起こっているのに使わない。変わった国民ですよね。何でも高いと思っているから手を出さない。

 携帯電話っていうのがあります。これは、確かに、高いですよね。高いんですけれども、これが非常に伸びている。

 iモード対応の携帯電話が、日本全国で 5000万台を超えた、わずか3年で。これは世界中で日本しかないです

 パケット網っていうのがここまで完成しているのは、日本だけ。しかも、3社がこれをやっているでしょ。日本は3重にこのネットワークができているんです。

 このインターネットと同じようなiモード対応の携帯電話。

 これだけでもう信じられないくらいたくさんの商売につながる。5000万人が持っています。例えば、この辺のスーパマーケットで夕方、鯖が5匹売れ残りそうだといったら、「同報通信で結構です」というふうに登録しておいたおばさんに「今来てくれたら、5割引で結構ですよ。持って行ってください。」こういう風なこともできますよね。

 これはリアルタイムの電子チラシ。これが持っている影響力ってのは、物凄いんですね。

 もう構造改革起こっていますから、日本全国均一こういうサービスができます。

 ありとあらゆるこのサービスというものが、このインターネット電話を通じてできるようになります。

 アメリカでこんなことやりたいって言っても、逆立ちしてもできません。私が今度創った、エブリデードットコムという会社が日本マクドナルドとエブリデーマックという会社を合弁で創ったんです。

 雑誌を開いて、そこにバーコードリーダがあるんで、バーコードリーダのその小さいやつを携帯電話のお尻にこうくっつけてですね、ボンっと飛ばすと、インターネットのサイトに直接行っちゃうんです。

 藤田さんはこれを見た途端に、「クン 金の匂いがする」って言ったんです。あの人が金の匂いがすると言ったときはですね、会社の人はですね、もう青くなりまして、「これは本物だ」と、「社長久しぶりに金の匂いがするって言ったぞ。」と。このニュ-スを見た途端に「大前さん、これ金の匂いがするぞ。一緒にやろう。」と言って50%、50%の合弁会社を創って始めたんですけども、この日本っていうのは不景気だとか、デフレだとか言っていますから、これだけのチャンスがあるのにみんな気が付かないんですよね。

 インターネットが5000万人に届くというのがどのくらい凄い力かということがわからない。普通に使えば、携帯電話っていうのは無駄以外の何者でもないです。無駄話で以って、月々平均8900円払っています。家族4人で持っていたら、大体3万円近くこれで出ていっちゃいますから。

 日本の経済はダメになるんです(笑)。これは、ドコモ不況

と言われまして、何処も不況なんですけども(笑)、月末にこのお金を引き落とされちゃいますから。月あけてみるとですね、金が無い、みんな電話に持っていかれちゃっている。こういう状況なんです。

 固定電話っていうのは、ご存知だとは思いますけれども、今まで20年、月々平均は5000円なんです。電話線1本5000できたんです。家族4人で使って5000円。

 ところが、今度は家族4人8900円でドコモさんに、払っている。景気悪くなるの当たり前ですよ。

 だから、ユニクロとマクドナルドに行かないといけない。キャッシュが残らない。

 私は、「ドコモ不況」と言ってですね、夕刊フジに書いたんですけれど、夕刊フジの編集長、「大前さん、今週のやつは勘弁してくれ」と。

 「いやぁ、いいよ、じゃあ、来週で」って言ったら、やっぱりドコモは大口スポンサーだって言って、腰が引けたらしくて「携帯不況」ってなっちゃった。

 私は、「ドコモ不況」って言葉を流行らしてやろうと思って、せっかく選んだのに、「携帯不況」っていうインパクトの小さい話になっちゃって困っていますけどもね。

プール金は数百万から1000万、その金額もいま公表してないんですね。

 パケット通信。つまり、その、iモ-ドで以ってひとつのメッセ-ジ送りますね。250バイトっていいますから、ちょっとしたメッセ-ジが送れます。これ、幾らと思います?

 0.3円ですよ。 あの一発送る値段。世界の何処より安いですよ。私の方で4月からやる商売。マクドナルドに行ったら雑誌が置いてあります。エブリデ-マックというやつです。

 ここへ行って、雑誌を取ってもらう。それで、パソコンか携帯に繋いだバーコードリーダにちょっとこう当てて頂くとそこのサイトにポンと飛んで行っちゃう。こういうものです。

 そして、あゆちゃんでも誰でもいいですけど、そういうコンサ-トがあったとしたらそのコンサ-トのチケットこれで予約しちゃうんです。で、セ-ブしておいたら、それを見せて入って行っちゃう。

 この要領分かりますよね。いわゆる、あれにはセ-ブ機能があります。画面保護っていう所をクリックして、左側側の iを押して、7番を押すとこれがまた出てきますから、それが入場料チケットになる。

 今、「千と千尋」があと後30分で始まるとします。劇場見てみたら、まだ、100席空いていると、いったらですね、その辺り歩いている人だけに、同報通信、バ-ンとやって、「千と千尋」。20分以内に来てくれたら、この席をあなたは、もう 1300円じゃなくって600円で結構ですよ。そうしたら、銀座あたりで遊んでいる人達がいたら、「俺、行こう。」っていう風になるじゃないですか。

 その私のやつは決済機構が入っていますから、それでもって自分がその席が欲しいと言って、押して返したら、その瞬間に 600円引き落としちゃう。こういう風な決済機能付です。

 携帯電話、皆が、持ってやっているんです。畜生、最近の女はこんなことばっかりやって、何やっているんだろう、誰と喋っているんだろうと、思っているようじゃダメです。そういうのは評論家と言います。

 商売人はですね、今のようなものであれが全部、私の方の商談になってたら、どのくらい儲かるかと、全部こうやって話している人を見たらですね、商談に見えるという風にして事業をするんです。

 この様な環境で見たときにはですね、今ほど、日本ほど事業環境の良い時はありません。

 なにしろ、日本人は金持っています。日本って金が無いと思うでしょ。ところが、アメリカよりも金持っているんです。アメリカに貸すほど金があるんですから。アメリカは日本から借りて繁栄しているんですから。

 使っちゃった奴が勝ちだというところがあるんです。日本の最大の問題は、使わないっていうことですから。

 つい最近書いた、「やりたい事は全部やれ」 っていう本、これバカ売れしているんですよ。

 講談社が当社にとってベストセラ-と言ってくれた。

 「御宅にとって、ベストセラ-なら大した事ないよ。御宅はベストセラ-が無いんだから(笑)。」「そうですね、その通りなんです。」って言っているんですけど、これは凄いベストセラ-になった。なぜか? 底抜けに明るい本なんですよ。

 「やりたい事は全部やれ」 と、「この人生貯めっちゃダメよ」と。私は30年コンサルタントやっていますけども、まあ、1000人以上のトップとね、所謂、大会社のトップ、社長とかね、副社長とかいろんな人と付き合ってきました。

 何とか重工の社長さんが言っていたことですけど、「大前さん、私はね、引退したら故郷の瀬戸内海の見えるあの村に帰って、毎日釣りをやりたい。」こういう風に言っていたんですよ。

 ところが、実際にこの方はこの夢が叶って引退して、故里に住んで釣りやっているんですけども、お婆ちゃんは食ってくれないでしょ。釣ってきた魚どうするのか大問題ですよ。

 本物の漁師の方がもっと沢山釣りますから、自分は何となく劣等感を持つ(笑)。あとの人は誰も釣っていないんですから、そんな田舎では。

 三浦海岸に行ったら、みんなが釣っていて、みんな釣れない(笑)。こっちは釣れるんですよ。

 だけど、釣ったものを食べてくれないし、孫を呼んっだって来てくれないしということで、結局、この人、釣りやめちゃいまして、「晴耕雨読」になっちゃった(笑)。

 つまり、この人は「そのうちに」ということを思ったからいけないんです。釣りが好きだったら、すぐやりゃあいいんです。釣りバカ日誌見たって分かるじゃないですか。

 社長のうちにやっていれば、あれだけおべっか使ってくれる奴が居るわけですよ(笑)。社長のころやっていたら、「凄いですね、社長、これ釣ったんですか?こんなの買ったら幾らだろう」なんて、もう分かっているくせに、もうおべっか使ってくれる奴が会社に一杯居るじゃないですか(笑)。

 そういう時にやると釣りは楽しいんです(笑)。

 「その内に」って言いながら、だんだんと取締相談役、取締顧問、取締のない特別顧問なんてなって、だんだんと静かに去って行く。

 「その内に」がないまんま終わる方が、十中八九なんです。たまたまできた人もさっきの釣りやる人みたいにこうなってきちゃうんです。そんな時は楽しくない。だから、楽しいと思って、やりたいと思ったらですね、その時やりなさいというのが、この「やりたい事は全部やれ」ってやつです。

 これは、社長、会長の話ですが、一般の人、これがまた問題なんです。日本の場合には。

主な著書

●「やりたいことは全部やれ!」
●「大前研一 新・資本論 ~見えない経済大陸へ挑む」
●「大前研一の一新塾 Part Ⅱ 
   ~生活者主権社会による日本再生~」(一新塾編)
●「大前研一のアタッカーズ・ビジネススクールPart Ⅳ 
   ~『一人勝ち』時代の起業成功講座~」(大前研一のアタッカーズスクール編)
●「勝ち組の構想力 ~21世紀われわれはいかに富を創出するか」
 (田原総一朗との共著)
●「e-ブレークスルー」
●「Re-Boot! ~ゼロからの出発~」
●「サラリーマン・リカバリー ~会社から自分の人生を取り戻せ~」
●「The Invisible Continent
   ~Four Strategic Imperatives of the New Economy~」
●「大前研一の一新塾 ~サバイバルニッポン~『新資本主義への挑戦』」
 (大前研一の一新塾編著)
●「港湾IT革命 ~港が変わると日本が変わる~」
 (大前研一監修・港湾情報化研究会編・著)
●「ドットコム・ショック ~新旧交代の経済学~」


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