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194号 注目の人 歌手・女優/イ・ジョンヒョンさん

「“チェ・ジウの妹役”日本で歌手デビュー
『日本大好き。食べ物の美味しさ、人の優しさにも感激しました』」
イ・ジョンヒョン/歌手・女優
Profile

イ・ジョンヒョン/歌手・女優
1980年韓国ソウル生まれ。96年に映画「花びら」で主演女優としてデビューし、映評新人演技賞など新人女優賞を多数受賞。
その後、多数の映画・ドラマに主演・出演し、女優としての地位を確立。
99年に「ワ-come on-」で歌手デビューし、大ヒットして社会現象となる。
現在までのCD総売り上げは600万枚ともいわれ、韓国音楽界のカリスマ的スーパースター。
日本でも放映された韓国ドラマ「美しき日々」(イ・ビョンホン、チェ・ジウ主演)では、セナ役で出演。
昨年11月に日本で歌手デビュー。年末のNHK紅白歌合戦に出場し、今年3月には DVD付ミニアルバム「ワ-come on-」を発表。
現在、中央大学(ソウル)映画学科在学中。愛称は「ヒョニー」。


NG続きも、共演の先輩方に励まされ

一生懸命勉強している日本語で、観客に語りかける

一生懸命勉強している日本語で、観客に語りかける

 日本でも放映された韓国ドラマ「美しき日々」(イ・ビョンホン、チェ・ジウ主演)では、チェ・ジウさんの妹役・セナを演じました。セナはわがままで勝ち気な性格の女の子。感情の起伏が激しい役だったので、常にオーバーアクションで気の強さを表現しなければならず、不自然な演技をするのが大変でした。「もっとオーバーに演じて!もう1回!」と何べんも監督さんにNGを出されて。私にとって試練でしたが、一生懸命やることでがんばるしかないと気持ちを切り替えて臨みましたね。加えてドラマ撮影時には、同時進行で私のサードアルバムを制作。そのため睡眠時間がろくに取れず、徹夜が続いたこともありました。

 そんなつらいとき、励ましてくれたのが共演した先輩俳優のイ・ビョンホンさん、チェ・ジウさんやリュ・シウォンさん。「がんばって!」とおいしいものを差し入れてくれたことも。そんな先輩たちの励ましによって、つらい時期を乗り越えることができました。

 「美しき日々」では演技がうまくできなかったので、ドラマは恥ずかしくて全然見返せないんです(笑)。ドラマのおかげで日本の皆さんに「セナちゃん!」と親しんで呼んでもらえるのはうれしい。でも、実際はセナの性格と私自身の性格は、まるっきり違う。私自身はドラマのような強烈な性格ではないし、髪だってあんなに派手に染めません(笑)。

 この「美しき日々」をテーマにしたコンサートツアーが3月から5月にかけて、日本全国8ヶ所で開催され、私も出演して何曲か歌いました。多くのお客さん、自分よりもずっと年上のお客さんが来てくれたのでうれしかったです。

 小指の先につけたマイクで歌うスタイルは、5年前に自ら考案したもの。スタンドマイクでは踊りづらいし、ヘッドマイクではありふれていると思い、自分であれこれ工夫してみて。ジュースを飲むときに小指を立てるクセがあったので、「小指をマイクにしてみたら」と思いつき、作ってもらいました。

 ライブで使う衣装や舞台装置、演出もすべて自分でコンセプトをたてて、プロデュースしました。大きな布を天井から何本も舞台に垂らす演出も私のアイディア。布の長さを何メーター、何センチと指定し、韓国の古文字をあるサイトから2日間かけて探し出して布に書き入れて。スタッフが私の意図を汲んで作ってくれたので、とてもすばらしいものになりました。さらに歌のコンセプトが東洋だったので、韓国の伝統舞踊と太鼓の音を取り入れ、演出していきました。

 全国ツアーをしていて印象深かったのは、札幌のお客さん。東京より熱狂的ファンが多くて、私が歌っている最中は皆さん立って踊ってくれたのでとても楽しかった。ファイナルコンサートでは、イ・ビョンホンさんとチェ・ジウさんも出演して盛り上がり、終演後にはみんなで美味しいものを食べたりして本当に楽しい日本ツアーになりましたね。

内緒にしていたデビューが父にバレて


 生まれはソウル。5人の女きょうだいの末っ子として育ちました。家中とてもにぎやかでしたね。姉たちはいつも連れ立って遊びに行ってしまい、ひとり残された小さな私はバービー人形遊び。当時は常に4人の姉のお下がりしか着られず、子ども心に新しい服がほしくてほしくて…。ずいぶんわがまま言って親にねだったのですが、それはかなわぬ夢となりました(笑)。

 「歌手になろう!」と決めたのは、5才のとき。マイケル・ジャクソンやマドンナが大好きで、道端でマイケル・ジャクソンの曲が流れたら、幼稚園の帽子を脱ぎ捨ててムーンウォークを始めるような子どもでした。とにかく私、マイケル・ジャクソンになりたかったのね。あ、いまのマイケルではなくて、当時のマイケルにですよ(笑)。

 女優としてデビューしたのは15才のとき。「花びら」という公開オーディションに運良く合格したのがきっかけになったんです。3000人のなかから選ばれたときは本当に驚きました。

 問題だったのは父の存在。私の父はたいへん保守的かつ厳格な人で、「女は大学出たら、結婚しなさい」という考えの人。だからオーディションを受けることもバレたら大変と、父には秘密にしていたんです。当然、うかって女優デビューすることも言い出せずにいました。 ところがある夜、父が新聞を手に帰宅。手にしていた新聞には、なんと私の記事が(笑)。父はひと言「いますぐお父さんの部屋に来るように」と私に言い、部屋に消えました。秘密にしていてくれた姉たちも「ジョンヒョンが殺される!」と青くなって。ところが父は「どうしてこんなことを黙っていたんだ!」と、すごく喜んでくれたんです。今でも父は応援してくれていますが、あのときはとてもうれしかったですね。

日本語の「タ行」「サ行」に格闘

 女優になってから3年後、19才のときに念願の歌手デビューを果たしました。国外では、中国で話題になり活動していたんですが、いつかは日本で活動したいと考えていました。昨年11月に日本でアルバムを出し、ついに歌手デビュー。年末のNHK紅白歌合戦にも出場でき、貴重な経験をしました。日本で出したアルバムには、ドラマ「美しき日々」で私が演じたセナが歌う曲「Heaven」、そして韓国でのデビュー作「ワ(来て)」などを収録。どちらも日本語吹き替えでレコーディングしたんです。

東洋的な衣装でエキゾチックに踊る

東洋的な衣装でエキゾチックに踊る

 日本語の歌詞はひと月間、みっちりと練習。レコーディング中も日本語の出来るスタッフに発音を直してもらって。もし私の日本語がきれいに聞こえたのなら、その甲斐があったというものです。

 日本語自体は昨年の11月ごろから月に4~5日、家庭教師について習い始めています。やっぱり発音が難しいですね。特にタチツテトの「タ行」には手こずりました。サ行も難しいですねえ。ア行以外は全部難しいと言っていいかも。最初に覚えた日本語は「アイシテイルヨ」(笑)!

 日本語は、韓国に帰ったのちもまたマンツーマンで勉強を続けるつもりです。

「トトロ」と映画監督への夢

 これまでにもプライベートで日本には何回か来ているんです。3年前には温泉旅行をしました。場所の名前は忘れたけど、東京から2時間くらいで、山に電車が走っているようなところで。旅行は姉など年上の人と行くので、どうしても温泉のようなところが多くなります。日本の温泉、好きですね。韓国にもありますが、日本みたいに設備が整ったものではありません。

 日本のもので感銘を受けたのは、宮崎駿監督のアニメ作品。「となりのトトロ」をはじめ、「千と千尋の神隠し」「紅の豚」「天空の城ラピュタ」「風の谷のナウシカ」、みんな大好きです。宮崎作品の魅力は、なんといっても想像力のすばらしさ。人間の細かい動き、細かい性格付けもすごい。作品を観ていると、宮崎監督は本当に純粋な人ではないかと感じます。

 私自身もいま映画の勉強をしています。

韓国でも有名なダンサーチームとの共演

韓国でも有名なダンサーチームとの共演


 在籍しているソウルの中央大学映画学科では、毎年短編映画の課題があって、1年目は宮崎監督の影響を受けてアニメーションを製作。2年目はサムライが登場する政治批判も交えた、笑える作品を作りました。ファンタジーやSFなど、この世にはない世界を描いた映画が好みですね。

 現在も大学の課題の作品づくりに追われている最中。常にパソコンのノートブックを持ち歩き、移動先や車のなかでシナリオを書き続けています。同じ大学でも演劇科ならタレント活動は単位の対象になるのですが、映画学科はそうはいかないので女優や歌手活動との両立がたいへん。でも、私には30才ぐらいに映画監督になる夢があるんです。その夢があるから、がんばれるんですね。


等身大の女性を演じたい

 日本食も大好きです。特に納豆が大好物。昨年初めて食べたんですが、「本当においしい!」と大感激。以来納豆にはまってしまい、来日時にはゴッソリ買いこんで帰国しています(笑)。特に好きな銘柄は決めてないですが、セブン-イレブンの納豆巻きは本当に美味しくって感動。納豆は身体にもいいし、お肌にもいいし、すばらしい食品ですよね。韓国の家に帰って冷蔵庫を開けると、あまりに日本食が多いのでときどき日本にいるのかと錯覚することも(笑)。常に納豆と梅干を一緒にいただいています。

 ほかにも日本の好きなところはたくさんありますよ。まず、街並みがきれいなこと。まるで「東洋のヨーロッパ」に来たような感覚。何もかもきれいで、かわいくって。また、人も繊細で優しい。他人を傷つけない人種と感じたくらい。以前、日本で道に迷ってしまったとき、道行く人に行き方を聞いたことがありました。普通なら「そこを右行って左」とか教えて終わりですよね。でも私が言葉を聞き取れないで困っていると、その人はわざわざ紙に書いて教えてくれて。その優しさにびっくりしました。  韓国の男性は実直なところがあって、言いたいことは確実に言う性分。一方日本人男性は、私の周りのスタッフを見ている限りでは、とても繊細で優しく、静かな印象です。あ、もちろん韓国の男性も優しいですけどね(笑)。

パワフルでダンサブルなステージで魅了する

パワフルでダンサブルなステージで魅了する

 趣味はスポーツ。スカイダイビング、スノーボード、ウェークボードなど。ホテルにいればピラティスで身体を動かし、周辺をジョギングすることもあります。元々身体を使ってする運動が大好きなので、それがよいストレス解消になっているんじゃないかな。

 いまの抱負は、演技を磨くこと。デビュー作の映画「花びら」を除いて、演技らしい演技はできてこなかったので、これからはよいシナリオを慎重に選んで演技に力を入れたいと考えています。また、25才になったので、この年なりの女の子らしい役を演じてみたいですね。先日よい映画のシナリオにめぐり合えたので、そこでは演技らしい演技をお見せできると思います。女優も歌手も、私にとっては大切なライフワーク。映画の勉強とともに、がんばっていきたいですね。

 日本では8月9日、10日、渋谷AXにて単独コンサートを行う。また、8月3日には新作CD「Passion」もリリースします。今年は日本で一生懸命がんばりますので、日本の皆さん、どうぞよろしくお願いします!

(東京都港区にて取材)



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