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148号 注目の人 民俗学写真家/須藤 功さん

「歌の島・踊りの島紀行」
須藤 功/民俗学写真家

沖縄の祭りは女が主役

 ひところ足しげく沖縄の祭りに通った。島の人、集落の人みんなが参加して、2日、3日と神に祈りを捧げる真剣な姿に心打たれたのと、それまで見てきた東北や中部地方などの祭りとはどこかちがうな、と感じるところがあったからである。

 初めて行ったとき、神社にあたるものを沖縄では御嶽、神主役は女だよと聞かされた。女が神祭りをするのは、日本の祭りの古い姿らしい。だから祈りを捧げる司と呼ばれる女の人たちには特に注目したが、驚いたのはその司を補佐するのが男たちだったことである。  「子どもの本の専門店」といっても対象は子どもだけではありません。子どもから始まって上は年齢制限なし。最近は特に70~80代の方が、自分のための絵本を探しに来られる傾向もあります。

 沖縄の人々がいうヤマト(九州以北をいう)では、神祭りを行うのも、舞や踊りをするのもすべて男というのがしきたりである。

ラジオ体操 うーんそれ踊り


 石垣島を中心とした八重山諸島、そこには竹富島、西表島、そしてNHKの朝のテレビ小説の舞台になっている小浜島もある。

 八重山諸島は歌の島・踊りの島といわれる。日々の生活に歌や踊りが生きているからで、それはよそ者といえども無縁ではなかった。沖縄の盆は今も旧暦7月15日、ちなみに今年は新暦9月2日がその日で、毎年その前後の沖縄行の航空便は大混雑する。

 祖先を大事にする沖縄では、盆には家族みんなでそろって静かに祖先と過ごす。

 その代わり無事に祖先をあの世に送ると、今度は自分たちの健康祝をにぎやかに行う。

 小浜島に渡ったのは、そうした盆が終った16日だった。若者たちが家々の繁栄と健康祝を祈ってまわると聞いたからである。それは家の人たちとともに、家中や庭で歌い踊りつづけるもので、そっと見ていた私にも声がかかった。「ヤマトの兄さんも踊りを見せてくれよ」無芸の私はラジオ体操をするしかなかったが、その反響については略すことにしよう。

神の威厳に感動した一夜


 今もなお、頭の中に強烈な印象で焼きついていながら、その情景を的確に伝えられないもどかしさがあるのは、パナリと呼ばれた新城島のアカマタ・クロマタである。 赤面、黒面を着け、草木で身を包んだ神が夜中にまわって家々を祝うものだが、動きの1つひとつに威厳があって、これこそ神と思わせるものがあった。

 写真はもとより歌の録音もだめ。神の後ろについて決められた夜道を行き、その途中で振り返ったりすると、振り返るなという警告の石が飛んできた。

 もともと華やかなマスコミの仕事は苦手で。「女の子」という枠の中で役割は限定されていたし、政治的な発言をチェックされる場合もありました。不自由な仕事だなあって思って。まぁ、生放送だったから言っちゃえばこっちのものでしたけれど(笑)。

 夜明け近く、神は島人の名残を惜しむ歌とともに送られる。その別れの光景もまた、しみじみとしたものがあった。動く絵巻を見ているようだったのは、西表島祖内の節祭(祭日は10月ころ)、波静かな入江の砂浜を舞台に、その前にミロクと呼ぶ神を迎え、さまざまな歌と踊りが繰り広げられた。サバニと呼ぶ2艘の漁船による競漕もあった。どちらが勝っても次の世(年)の幸せをもたらすといい、両手を高く振って2艘に声援を送りつづける島人の顔は、どの顔もみな明るかった。

唄の流れる道 月夜の三線

 今はもう昔語りになりつつあるが、この八重山では、畑に向かう人が道を歩きながら唄を歌い、それを田畑で働く人が受けて歌い返すという光景があった。 月夜の晩など、浜などから三線(三味線)の音とともに、男女の歌声がいつまでも流れてきたものだという。 モー遊びといって、これは八重山とは限らず、沖縄の各地に見られたものらしい。







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