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本音のエッセイ

313号 教育評論家 親野 智可等さん

子どもの好きなことを応援するとよいことがいっぱい

教育評論家 親野 智可等さん

教育評論家 親野 智可等さん

親野 智可等/教育評論家

1958年生まれ。本名は杉山桂一。長年の教師経験をもとに著書やメルマガで勉強法や子育て法を提案。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても著名。全国の小・中学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会で大人気。講演依頼やメルマガ登録は「親力」で検索してHPから。

 ある子育て雑誌の取材を受けたとき、こういう質問をされました。「子どもに読解力、記憶力、思考力、認知力、追究力、集中力、創造力の7つの力をつけたいとき、何をやらせればいいでしょうか?1つずつ挙げて解説してください」

 こういう質問はよくあり、編集者としては例えば次のような回答を期待しています。読解力には読書、思考力にはパズル、認知力には間違い探し、追究力には自由研究、集中力にはストップウオッチ活用、創造力にはブロックや粘土…。

 でも、私は次のように答えました。これらの力はすべてバラバラにつくものではありません。たった1つの方法で、子どもにこれらすべての力をつけてあげることができます。

 すると、編集者はびっくりして、「そんな方法があるのですか?」と聞き返しました。その方法とは、子ども本人が好きなことを応援して、もっともっと熱中できるようにしてあげることです。例えば、昆虫が好きなら昆虫採集に連れて行く、飼育体験をさせる、昆虫博物館に連れて行く、昆虫図鑑を用意するなどです。親が応援してくれると、子どもは自分の世界をどんどん深めていくことができます。

 その中で、いろいろな虫を比べながら「この虫とこの虫は形は似ているけど羽の色も匂いも違う」などと気がつき、このとき認知力が鍛えられます。また、「どうしたらこの虫を長生きさせられるだろうか?」と一生懸命考えたり、図鑑で調べて解説を読んだりするとき、思考力、追究力、読解力が鍛えられます。

 虫の名前や身体の部位を覚えたり、エサや快適な環境の条件を覚えたりもします。好きなことだから一生懸命覚え、そのとき記憶力が鍛えられます。そして、好きなことに時間を忘れて没頭しているとき、集中力が鍛えられます。大好きな虫の絵を描いたり、調べたことを文章に書いたりしているときに創造力が鍛えられます。

 この他にも、「虫のことなら誰にも負けない」と思えるようになり、自信がつきます。すると、他のことでもやれそうな気がしてきます。このように、親の応援があればよいことがいっぱい起こります。親の応援がないと、他のことよりちょっと好きで終わってしまいます。実にもったいないことです。

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