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本音のエッセイ

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288号 イラストレーター・文筆家 田中 ひろみさん

あきらめずに、好きなことを続ける

イラストレーター・文筆家 田中 ひろみ

社会貢献型プロデューサー兼ミュージシャン 天地 琉聖さん

田中 ひろみ/イラストレーター・文筆家

奈良市観光大使。女子の仏教サークル“丸の内はんにゃ会”代表。著書は『わたしがナースを辞めたわけ』(光文社 知恵の森文庫) 『拝んでしあわせ奈良の仏像100』(西日本出版社)など35冊。よみうりカルチャーで江戸の史跡巡りの講師。中日文化センターで仏像の見方の講師も務める。

  私は、元ナースだった。現在は、イラストレーター&文筆家だ。
 もともとは、絵が好きでイラストレーターになりたかったのだが、両親が「絵では食べられないので手に職をつけなさい」と反対したので、両親の言うことにしたがい正看護師の免許を取りナースになった。でも「手に職をつけたら好きなことをしてもいい」と言われたので、ナースで働いてお金を貯め、それから絵の学校「セツ・モードセミナー」に通った。


 卒業後、いろんな出版社に山ほど売り込みに行き、イラストの仕事をもらうことができた。


 しかし卒業後、まだ絵だけでは食べられないので、小説家のアシスタントのバイトをしていた。そこで、いろんなところに電話して取材することを覚えた。たとえば“かっぱえびせん”に“かっぱ”は、入っていないのに、なぜ“かっぱえびせん”というのか、を販売元のカルビーに問い合わせたら「はじめは、かっぱの絵を描いたパッケージで“かっぱあられ”で売っていました」と親切に答えてくれた。


 それで、楽しくなって、私はいろいろ素朴な疑問を調べ、調べたことを人に知らせたくて「ひろみ新聞」というA4の用紙に書いたものをつくった。その「ひろみ新聞」を、知り合いの編集者に渡していた。すると、その内容が面白いと、パルコのフリーペーパーの『ゴメス』と雑誌『ナース専科』と『デイリーan』で連載させてもらえることになった。3年連載が続くと、本にしたくなり、いろんな出版社に売り込みに行ったが「1冊も本を出したことがない人の本は怖くて出せない」と断り続けられた。


 すると、タイミング良く『ナース専科』を出していた文化放送ブレーンという出版社が単行本部門を立ち上げることになり、私の本も出してくれたのだ。1冊本が出ると、それが名刺代わりになり、2冊目からスムーズに本を出せるようになった。気がつけば、35冊も出すことができた。


 最近、私がたくさん本を出しているのは仏像関係。大阪出身の私は、仏像好きの伯父に連れられて京都や奈良の仏像を見に行っていたが、子どものころは仏像に全く興味がなかった。それが、大人になってひさしぶりに京都の三十三間堂に行って1001体の千手観音を見て仏像に恋に落ちてしまった。恋をするのに理由がないように、なぜ仏像がそんなに好きになったのかうまく説明することはできない。それ以来、私は全国の仏像に会いにまわっている。


 今では、仏像の本も5冊出し、仏像の講演会や、カルチャーセンターの講師、はとバスや毎日新聞旅行で仏像の同行講師もやっている。約650人いる“丸の内はんにゃ会”という女子の仏教サークルの代表や、奈良市観光大使にも任命された。好きなことって、すごいなと思う今日このごろである。

 

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