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本音のエッセイ

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247号 ファッションジャーナリスト・シャンソン歌手 ピーコさん

「伊勢の旅」

ファッションジャーナリスト・シャンソン歌手 ピーコ

ファッションジャーナリスト・シャンソン歌手 ピーコさん

ピーコ/ファッションジャーナリスト・シャンソン歌手

1945年神奈川県生まれ。ファッションジャーナリストとして服飾評論はもとより、シャンソン歌手として「ピーコのシャンソン&トーク」の会を定期的に開催。2004年1月にはCDデビューし、活動の場を広げている。ラジオ・テレビへの出演、講演など多岐にわたり活動。

 今年9月末、伊勢神宮にお詣りをしてきました。

 初めてお伊勢さんにお詣りしたのはもう20年以上前になります。左眼の脈絡膜というところに腫瘍が見つかり、その病状が軽くて済むようにとお願いに伺ったのです。あいにく腫瘍は悪性で、その年のうちに左眼を摘出する手術を受けたのですが、今回の伊勢神宮への旅は、私にとってとても貴重なものになりました。

 瀧原宮や外宮、内宮と目ぼしい神社を徒歩でまわりました。あのとき(20年以上前に行ったとき)は日差しが強くて、お伊勢様への道が遠く感じたのですが、今回はおすぎと二人でお詣りするついでのトークショーがありました。

 近鉄の松阪駅に迎えの車があり、瀧原宮、内宮とお詣りしたのですが、昔と違って高速道路ができていて、松阪駅から40分ぐらいで到着してしまいました。瀧原宮の入口には、道の駅と称される、その地方の物産を販売するマーケットのような建物やお土産物屋さんなどができていて、20年前の面影はなかったのでした。

 シルバーウイークを過ぎていたので、参道にはあまり人影がなく、厳かな風情がより強く漂っていました。樹齢100年は超す杉の大木が参道の両側に立ち、木立ちの間に木漏れ陽が差し、心地良い空気の中に神様の気配が感じられるようでした。

 20年前の参道はもっとうっそうとした、森のような感じだったのですが、案内してくださった方に伺うと、3〜4年前の大きな台風の際に大きな木々が倒されて空が見えるようになってしまったとのこと。薄暗く厳かだった参道が、明るく開放的になったのが良いのか悪いのか判断しにくいのですが、神様がどのように感じていらっしゃるのか気にはなりました。

 瀧原宮のお社は茅葺きですが、最近では20年に1度の茅葺き替えに間に合わなくなるほど、茅の屋根がざっくりとこそげている様子でした。原因は酸性雨のために茅が耐えられなくなってしまうからだというのです。

 スーパー台風や強い酸性雨などで、日本の文化遺産も被害に遭っているのを目の当たりにすると、地球環境のことにもっと真剣に取り組まなくてはと思う伊勢の旅でした。


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