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本音のエッセイ

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221号 漫才師 島田 洋七さん

「拾う物はあっても捨てる物はなか!」

漫才師 島田 洋七

漫才師 島田 洋七さん

島田 洋七/漫才師

昭和25年生まれ。B&Bのコンビとして1980年代の漫才ブームの先駆者。NHK漫才コンテスト、上方漫才大賞、読売テレビ・上方お笑い大賞など数々の賞を受賞し『もみじまんじゅう』のギャグは一世を風靡。現在は、漫才師B&Bとしての活動の傍ら、講演、執筆にも精力的に取り組む。講演会は現在3500箇所をこす。執筆「がばいばあちゃん」は世界各国に広がり、映画「がばいばあちゃん」も大ブレーク。

 俺が佐賀にいられるのは、最近では1ヶ月のうち1日あるかないか。

 そんな時間がない中でも佐賀に引越ししてきて以来、家に帰るたびに欠かさず行っているのが畑仕事。季節によっても違うが、自宅の庭で常に20種類くらいの野菜を作っている。野菜作りに慣れてない俺は、佐賀に帰ってきては近所のホームセンターに行き、とりあえず「土にいい」「畑の栄養満点」などと書いてある物を見つけては買って帰り畑に撒く。馬鹿の一つ覚えみたいに買ってきてはまた撒く。これだけあげておけば凄い野菜ができると思っていた。

 結果…。

 野菜を収穫できないどころか、畑自体を駄目にしてしまった。

 栄養過多。

 俺がとっている行動はまるで、体に良いからとビタミン剤や栄養ドリンクばかり飲む現代人に似ている。やはり畑も人間も科学の力で作ったものに頼りすぎは良くない。

 そこで腐葉土などの自然肥料を撒いてみた。

 結果、土を返せば赤ミミズがたくさん!!これは土が良い証拠。さらに、天気が良い日にはそのミミズを餌に、家の前の川でウナギや鯉を釣ったりしている。で、一石何鳥にでもなる。

 昔の人はサプリメントなどに頼らずしても健康に生活していた。俺のばあちゃんは知ってか知らずか、決して科学によって作られたものを口にしなかった。食べ物がなかったからこそ、ばあちゃんの“食”への知恵は格別だった。野菜の皮は干して漬けていたし、茶殻は天日で干してフライパンで煎り、塩を混ぜてふりかけにしていた。残った魚の骨なども1度天日で干してそれを叩いて粉にし、これもふりかけに入れる。これでカルシウムやカテキンがたっぷり取れる。

 ばあちゃんの家の食卓には、現代人がお金を出して買っているような物が、一切のお金をかけずして毎日並んでいた。最高の贅沢だ。

 質素ではあるが、そのふりかけのお陰で少年時代には風邪一つひいたことがなかった。そんなばあちゃんの元で育った俺が最近気に入っているものがある。それはたまねぎ茶。えっと思うかもしれないがこれが体に凄くいい。ただ飲むだけで血液をサラサラにしてくれる。

 作り方は、たまねぎの皮(普段は捨てるカラカラの茶色の部分)をお湯に入れ煮だしてお湯が狐色になったら出来上がり。とすごく簡単。  材料費はゼロ。味はあまりないが体に最高に良い。

 昔ばあちゃんが度々口にしていた「拾う物はあっても捨てる物はなか」という言葉。そういう感覚が俺の体にもしみついているのだろう。

 何でもかんでも捨ててしまうこの時代、捨てる物をもう1度捨てる前に見直し、何かに再利用できないか考えてみる必要があるはずだと俺は思う。


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