管理に関するFAQ

その他

インターネットを利用していない区分所有者に利用料金を負担する義務があるか

私のマンションは、管理組合にてインターネット設備を有し、プロバイダー契約を締結することで居住者がインターネットを利用することができます。また、インターネット利用料金については、各区分所有者の負担であることを管理規約に明記しています。このたび、管理組合より各区分所有者へインターネット利用料金の請求を行ったところ、ある区分所有者が当該インターネットを利用していないことを理由に支払いを拒否しています。インターネットを利用していない区分所有者は、利用料金を負担する義務はないのでしょうか。

 マンションの各戸に対してインターネットサービスを提供するために締結されたインターネット接続回線契約やプロバイダー契約に基づき発生する費用は、一見するとインターネットを実際に利用していない者にとって負担すべき根拠がないようにも思えます。しかしながら、そのようなサービスがマンション全戸に一律に提供されているということは、マンションの資産価値を増す方向で反映されていることから、これらに要する費用についても、マンションの資産価値の維持ないし増大に資するものといえます。よって、各区分所有者がインターネットサービスの利用の有無にかかわらず、その費用支出による利益を受けていることから利用料金を負担することは妥当といえます。
 なお、本マンションでは管理規約にインターネット利用料金を各区分所有者にて負担することを定められていますので、インターネットを利用していない区分所有者も当然に利用料金を管理組合に支払う義務を負うことになります。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2015年5月掲載

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マンションでの民泊とは

マンションで民泊を行うことができるようになったと聞きました。どのようなことか教えてください。

 2017年6月9日に住宅宿泊事業法(民泊新法)が成立しました。
 来春施行予定とされていますが、法が施行されれば、都道府県に届出をすることで、マンションにおいても、年間180日を上限として民泊として利用することができることとなります。
 国土交通省は、住宅宿泊事業法(民泊)について、管理規約で可能か禁止かを明記することが望ましいとし、さらに個別のマンションの事情によっては、「住宅宿泊事業者が同じマンションに居住している場合に限り可能とするケース」や「自己の生活の本拠として使用している専有部分において宿泊させる場合に限り可能とするケース」も考えられるとコメントしています。
 多くの居住用マンション管理規約では、専有部分の用途を、「専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない」と定められていると思われますが、この記載のみでは、民泊新法で認められる民泊営業を禁止していることになりません。
 各マンション管理組合においては、マンション内での民泊営業の是非を検討し、その結果に基づき管理規約を改定しておくことが望ましいでしょう。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2017年8月掲載

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部屋を売却した人からの会計帳簿の閲覧請求に応じる義務があるか

理事長をしています。部屋を売却し退去された方から「納入した管理費等の使い方で気になることがあるので組合会計帳簿を見せてほしい」との連絡がありました。組合会計帳簿を見せなければならないでしょうか?なお、マンションの管理規約はマンション標準管理規約に準じた内容となっています。

 マンション標準管理規約の第64条では「理事長は、会計帳簿、什器備品台帳、組合員名簿及びその他の帳票類を作成して保管し、組合員又は利害関係人の理由を付した書面による請求があったときは、これらを閲覧させなければならない。」と記載されていますが、本件においては退去した方が「利害関係人」であるかが問題となります。
 平成15年5月21日の東京地裁判例によれば、会計帳簿を「閲覧の対象となる会計帳簿等の書類には控訴人(管理組合)の団体としての信用に係る具体的情報のみならず組合員各人のプライバシーその他の個人情報が載っているもの」であり、「相当な理由が明示されない閲覧請求は理事長において拒絶し得るもの」としています。
 また、そのような会計帳簿を閲覧できる「利害関係人」とは現在の区分所有者(組合員)以外に例えば「区分所有者からその専有部分の貸与を受け、管理組合にその旨の届出があった者又はその同居人、管理組合との間で組合管理部分について貸与、管理受託その他の契約関係を有するもの等でその地位と当該閲覧請求との間に法律上の関連性が認められる者」としています。
 売却により退去し、マンション管理組合の組合員の資格を喪失した方については上記の「利害関係人」にはあたらないと考えられるので、会計書類を開示する必要はないでしょう。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2018年3月掲載

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