管理に関するFAQ

その他

管理組合の損害保険を契約する保険代理店について

監事です。管理組合が契約している損害保険が満期になるため、理事会で契約する損害保険を検討していますが、理事長が自分の親戚が経営している保険代理店で契約してほしいと言われています。問題はないのでしょうか。

 管理組合は、日常の管理業務や不意の事故への対応を行い、区分所有者から預かった資金の運用を行います。そのためには、管理業務などに関して第三者との契約を結ぶこともあり、契約は理事長の名で行うことになりますし、このような契約として、小規模な工事請負契約や本問の保険契約などがよくある契約です。
 そこで、管理組合の役員はどのような立場からこれらの契約を成立させる必要があるかといえば、組合役員は、個人的な立場からではなく、組合という組織の、公的な立場から管理業務を行い、契約を行うのであるから、契約を結ぶ場合には、区分所有者全体の利益を考えて行うことが必要です。役員の地位を個人的立場で利用する場合には、区分所有者から私的な利益を得ているとの疑いの目で見られる可能性があり、基本的に避けるべきでしょう。
 それゆえ、本問の場合は、契約していた損害保険が満期になるために、これを従前と同様の保険内容で契約するのであれば、保険料が同一または少しくらい低額である場合には、従前の保険契約を継続するのがよいでしょう。
 なぜなら、理事長の親族の保険代理店で契約すること自体、所有者全体の利益のためではなく、親戚の保険代理店の利益のために契約したとの疑念を持たれるからです。
 しかし、今回の損害保険が、従前の保険契約とは異なって、新たに必要な保険内容を付加したり、従前の保険内容の一部を除外したりして、違った保険内容にする必要があるのであれば、最も管理組合に沿うような保険内容の損害保険を結ぶ必要があります。その場合、所有者から個人的な理由で保険代理店を変えたといわれないために、いくつかの保険代理店(例えば、従前の代理店、その他の代理店と理事長の親戚の代理店)の相見積もりの提出を受け、理事会で最も所有者に有利な損害保険を決定し、明らかに保険料が低額(数千円程度では明白とはいえない)であるなど、所有者の誰が見ても有利であると判断できるところと、契約を結ぶのがよいでしょう。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2006年6月掲載

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修繕積立金の改定は規約の変更にあたるか

理事長です。将来の修繕に備え、積立金が不足しているため、積立金の増額を検討しています。しかし、管理規約の条文内で「修繕積立金は専有面積×二〇円(一〇〇円未満切捨て)とする」と記載されているため、積立金の改定は、規約の変更にあたり、特別決議となるのでしょうか。

 管理費や修繕積立金(以下「管理費等」という)の額は、管理規約に記載されず、管理費等の額は別に内訳などとともに表示されるのが一般的です。その理由は、必要とされる管理費等が不足する場合も想定され、あわてて一時金を徴収しなければならないように、適正に管理費等の額を改定できるようにするためです。
 本問のように、管理規約の規定の中で、修繕積立金の額が「専有面積×二〇円」と規定されている場合は、その趣旨は、当初の単価を区分所有者全員に周知、確認してもらうということであり「専有面積」に応じて負担するとの規定を変更するのではなく、この単価だけを改定するためには、規約に特段の定めがない限り、普通決議でできると考えられます。管理費についても同様の考え方です。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2006年8月掲載

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デジタル放送移行後の電波障害対策について

理事長です。近隣住民と電波障害対策についての協定が締結されています。デジタル放送に移行していますが、同様に電波障害対策を講じなければいけないのでしょうか。

 電波障害の防止、対策に関する明確な法律はありませんが、過去の判例において、民法第七〇九条に基づき、電波障害の原因を作った者(原因者)が、自己の費用負担において障害を取り除き、元の受信状態に回復させる義務があるとされています。
 つまり、マンションが建ったことにより、従前からその地域に住んでいた方には、通常、管理組合が電波障害対策を行っています。
 しかし、今回のデジタル放送への移行による電波障害は、電波障害に関する法律はないため、映らない方にデジタル放送が映らない原因がマンションにあることを証明させた上で、当事者間の話し合いにより、解決するのがよいでしょう。
 その場合、建設当初と違い、全額の保証義務はないと考えられますが、周辺住民との問題ということもあり、十分な話し合いにより、工事費用や機器設置費用の負担割合を明確にし、将来の維持管理費用、修繕費用などの負担について、契約書を取り交わすようにしてください。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2006年9月掲載

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個人情報の開示について

管理組合の理事長をしており、管理組合の運営上、区分所有者と賃借人のさまざまな情報を保管しています。このたび、一組合員よりこの情報を開示するように求められましたが、どこまでの情報を開示して良いか困っています。個人情報保護法の観点からも、管理組合の管理者として、どのような情報なら開示できるのかを教えてください。

 まず、個人情報保護法(以下、法という)では、一般に管理組合はその規模から、個人情報取扱事業者にはあてはまらないため、法の適用対象外となります。しかし、管理組合の管理者は、組合員に対しその情報の守秘義務を負っていますので、法の趣旨および規定を尊重し、区分所有者、入居者などの個人情報の開示は必要最小限にとどめる必要があります。
 管理上必要な情報としては、区分所有者の連絡先なども含まれますが、組合員に開示できる情報としては、登記事項(公開されている)である部屋番号、区分所有者の姓名と、標準管理規約で届出が義務付けられている、賃借人の世帯主の姓名ぐらいです(ただし、姓名を開示することにより、性別が判別できるため、姓のみとしている組合もあります)。電話番号やメールアドレス、家族構成、性別など、個人情報に属するものは本人の許諾がなければ開示できないと考えるべきでしょう。
 なお、組合員以外の第三者に対して、各組合員はこれらの情報を、慎重に取り扱うべきことは言うまでもないことです。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2006年10月掲載

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