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管理に関するFAQ

共用部分のトラブル

集合郵便受けのダイヤル錠交換費用は管理組合に請求できるか

マンションの区分所有者です。集合郵便受けのダイヤル錠が故障してしまいました。原因は、長年使用したことによる経年劣化のようです。ダイヤル錠を交換する費用を管理組合に請求することはできますか?なお、当マンションの管理規約は標準管理規約に準じています。

 集合郵便受けは共用部分ではありますが、各住戸がそれぞれの郵便受けを専用使用していることから、標準管理規約第14条に定める「区分所有者が専用使用権を有するバルコニー等」に準ずる部分といえます。また、標準管理規約21条第1項では、「バルコニー等の保存行為のうち、通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負担においてこれを行わなければならない。」と定められています。
 これらにより、集合郵便受けのダイヤル錠の交換は専用使用部分の保存行為と考えられ、当該住戸の区分所有者が負担することが適切と考えられます。
 しかしながら、標準管理規約では、集合郵便受けのダイヤル錠交換費用の負担者を明確に定めているものではありません。管理組合の実情に応じて、負担者を明確にしておくことも考えられるでしょう。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2016年9月掲載

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空き部屋のバルコニーの鳩の糞の放置の対策について

理事長をしています。空き部屋のバルコニーの床面に大量の鳩の糞がたまっており、悪臭が発生していると周囲の住戸の居住者より苦情が出ているのですが、当該区分所有者に手紙で清掃実施を求めても、なしのつぶてで困っています。そこで、管理組合にてバルコニー床面の清掃を行い、清掃費用を当該区分所有者より、毎月の管理費と併せて口座振替にて徴収することを検討しています。何か問題があるでしょうか。なお、当管理組合の管理規約は、標準管理規約に準じています。

 バルコニーは接する住戸の区分所有者に専用使用権があり、清掃などの保存行為については、当該区分所有者の責任と負担により行うこととされています(標準管理規約第21条)が、あくまで共用部分ですので、当該区分所有者に通知の上、管理組合がバルコニーに立ち入り、鳩の糞を除去することについては何ら問題ありません(標準管理規約第23条)。
 ただし、その費用を当該区分所有者の了解なく、口座振替にて徴収することは、民事法上禁止されている「自力救済」にあたり、一般的には違法行為とされています。
 区分所有法第57条(共同の利益に反する行為の停止等の請求)第2項の規定により、管理組合が当該区分所有者に対しバルコニー内の鳩の糞の除去を請求する訴訟を提起し、勝訴判決後に、強制執行により鳩の糞を除去することも考えられますが、この方法では、異臭で困っている居住者の救済に相当の期間を要します。
 管理組合が行う対応として、次の方法等が考えられるでしょう。
(1)当該区分所有者に対し、内容証明郵便により「○日以内にバルコニーの鳩の糞を除去すること。期限内に実施しない場合は管理組合にて行いその費用を当該区分所有者に請求すること」の通知をする。
(2)(当該区分所有者が鳩の糞を除去しない場合)管理組合にて鳩の糞を除去する。
(3)管理組合より、当該区分所有者に除去費用を請求する。
(4)(当該区分所有者より支払がない場合)除去費用の支払いを求める少額訴訟を提起する。
 訴訟手続きを進める場合は、弁護士等に相談して進めていくのがよいでしょう。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2017年4月掲載

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専用使用権付きの駐車場使用料の増額について

当マンションには、管理規約で特定の住戸に特定の駐車場区画の使用権が付属している、“専用使用権付き駐車場”と、管理組合と区分所有者が都度使用契約を交わす“契約駐車場”が設定されています。専用使用権付き駐車場の使用料が契約駐車場の使用料と比較すると極端に安価であったため、理事会では専用使用権付き駐車場の使用料増額に向けて管理規約変更の検討を進めています。しかし、専用使用権付き駐車場の利用者が増額に反対しており、管理規約の「規約の制定、変更又は廃止が一部の組合員の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない」の条項を根拠に、自分たちの承諾が無ければ管理規約の変更はできないと主張しています。この場合、反対する一部の組合員の承諾を得ずに管理規約を変更することはできないのでしょうか。なお、当マンションの管理規約は標準管理規約に準じています。

 マンション分譲当時の近隣相場及び現在の近隣相場や、契約駐車場の使用料等に鑑み、増額された駐車場使用料が社会通念上相当な額であれば、反対する一部の組合員の承諾を得ずとも、総会で管理規約変更が承認されれば、駐車場使用料を増額することは可能と考えられます。
 区分所有法第31条第1項では、「規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない」と定められています。
 判例(最高裁 平成10年10月30日)によれば、「特別の影響」とは「規約の設定、変更等の必要性及び合理性と、これによって一部の区分所有者が受ける不利益とを比較衡量し、当該区分所有関係の実態に照らし合わせて、その不利益が区分所有者の受忍すべき限度を超えると認められる場合をいうもの」と解しています。
 また、標準管理規約においても「規約の制定、変更又は廃止が一部の組合員の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。この場合において、その組合員は正当な理由がなければこれを拒否してはならない」として、正当な理由を持たない組合員については、その承諾は不要とされています。
 例えば、契約駐車場使用料が月額8000円であり、近隣相場も同程度で、専用使用権付き駐車場使用料のみが著しく安価に設定されているのであれば、月額8000円を目安に専用使用権付き駐車場使用料を増額することは、「特別の影響」を及ぼすべきものではなく、当該組合員の「承諾」は不要と考えてよいでしょう。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2018年4月掲載

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