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管理に関するFAQ

共用部分のトラブル

撤去の要求に応じない業者の広告を管理組合が撤去できるか

理事長をしています。マンション内の掲示板に業者が無断で広告を貼りに来て困っています。業者に再三にわたり広告の撤去を要求しても応じないため、管理組合の判断で広告を撤去しようと考えているのですが問題ないでしょうか?

 区分所有法第六条にて、「区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない」と定めてあります。マンションの住民が掲示板を使用する場合でも、無断使用は共同の利益に反する行為に該当します。
 マンションの住民すら無断使用できない掲示板を、外部の業者が無断使用することは当然認められません。今回の場合、管理組合は業者に対し掲示物の撤去を求めることができ、業者がそれに応じない場合は組合側で掲示物を撤去しても問題ありません。その際、貼り付けされた広告物の状態を写真に撮り、撤去した広告物を保管しておくのが良いでしょう。
 そして、再三にわたり注意しても掲示板に広告を貼る悪質な業者は、住居侵入罪として刑事罰の対象となることもあります。その場合、写真や貼り付けされた広告物が客観的な資料になります。
 いずれにしても、業者には管理組合が刑事告訴をする可能性も伝え、今後は無断で掲示板を使用することが無いように強く求めると良いでしょう。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2015年4月掲載

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機械式駐車場からの漏水による費用負担について

機械式駐車場の地下部分に駐車していた車両が、上段駐車区画に積もった雪が溶けたことにより発生した漏水によって、染みがつき汚れたとして、車両の所有者から管理組合に対して塗装修理費用を請求されました。この機械式駐車場は複数箇所でたびたび漏水が発生していましたが、管理組合の資金不足のため修繕工事は見送り、除雪を求めたり、シート保護を依頼したりという各自での対策を案内していました。管理組合は修理費用を支払う必要はあるのでしょうか。

 民法第七一七条は、「土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う」と規定しています。本問の機械式駐車場は管理組合が所有し、占有する設備と思われますので、漏水箇所の修繕を実施していなかったことが「保存に瑕疵があった」として不法行為責任を問われる可能性があります。そして、本問の場合、管理組合が駐車場使用組合員に対し、漏水対策を促していたとのことですが、「保存の瑕疵」に対する注意義務を果たしていたとはいえないと思われます。
 しかし、仮に損害賠償が認められたとしても、車両の所有者自身が漏水による汚れ対策をとっていないことにも起因すると考えられ、損害の一部を過失相殺されることも考えられます。そして、今回の事故は漏水による汚れということですから、損害の程度もそれほど多額な修理費用ではないと思われますので、話し合いによって解決するのが良いと思います。
 これらのことを考えると、管理組合はこの状態を放置しておくと、今後もトラブル発生の原因となりますので、金融機関より融資を受けるなどの方法で資金調達を行い、修繕工事を行うことをお勧めします。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2015年6月掲載

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専用使用権付の駐車場使用料金の有償化について

私のマンションの一階事務所前には駐車スペースがあり、事務所の専用使用権がついていますが、管理規約では駐車場使用料は無償となっています。住戸部分の区分所有者から、自分たちは有償で駐車場を使用しているのに、事務所部分だけ無償なのは不公平であるとして、有償に改定するよう要望が出ましたので、理事会で検討し、総会に有償に改定する議案を提出したところ、事務所の所有者より、「専用使用料の改定は、一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼす場合にあたるので、私の承認が必要である」と言われたのですが。

 区分所有法第三一条には、「規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議によってする。この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない」と規定されています。
 ご質問のケースでは、一階事務所前の駐車場使用料は管理規約で無償となっていますので、これを有償化することは管理規約を変更する必要があり、その場合、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数で改定することが可能です。
 しかしながら、専用使用権のついた駐車場使用料を有償化することが、「一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼす場合」にあたるかどうかが問題となります。ここでいう「特別の影響」とは、「規約の設定、変更などの必要性及び合理性と、これによって一部の区分所有者が受ける不利益とを比較し、当該区分所有者関係の実態に照らして、その不利益が区分所有者の受忍すべき限度を超えるか否か」という観点から、検討する必要があります。
 例えば、一階事務所を区分所有する際に、駐車場を確保するために、ほかの区分所有者とは異なって特別な費用を支払うなど、実質的に使用料の先払いがされているような場合には、有償化することに「特別の影響」を及ぼすといえる場合もあります。
 しかし、ほかの区分所有者と一階事務所の区分所有者とに不平等、不公平な取扱いがされているだけで、改定する駐車場使用料が社会通念上相当な額であれば、「特別の影響」を及ぼすとまでは言えないと考えられます。
 その場合には、一階事務所の区分所有者の承諾は必要ないでしょう。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2008年8月掲載

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マンションの店舗部分を共用部分とするには

理事長をしています。マンションの店舗部分の区分所有者が、当該店舗の売却を予定しています。当管理組合にて店舗部分を購入し、集会室などの共用スペースとして運用できないか検討していますが、法的な問題がありますか。

 管理組合名義で不動産を購入するためには、管理組合の法人化が必要となります。区分所有法では、管理組合を法人化するためには区分所有者および議決権の各四分の三以上の賛成を必要とする総会決議事項とされています(区分所有法第四七条)。
 また、購入した店舗を集会室などの共用部分として管理していくには、当該店舗を管理規約で定める規約共用部分に変更したうえで、規約共用部分たる旨の登記をする必要があります。なお、専有部分を規約共用部分に変更することは管理規約の変更にあたるため、この場合においても総会で区分所有者および議決権の各四分の三以上の賛成が必要な特別決議事項となります(区分所有法第三一条)。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2009年5月掲載

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長期不在の部屋のベランダに鳩が住みついた場合

理事長をしています。マンションの一室が長期間不在のため、ベランダに鳩が住みつき、周辺の住民から苦情が寄せられています。衛生的にも問題があるため何らかの対応を取りたいのですが、どのような方法が良いでしょうか。

 バルコニーは共用部分ですが、管理組合から区分所有者に専用使用権を与えられたスペースです。共用部分の管理は管理組合が行いますが、本問のように専用使用権を与えられたバルコニーなどの管理は通常の使用に伴う(清掃や割れたガラスの交換など)責任と費用について、専用使用権を有する者が負担しなければなりません。非居住の区分所有者であっても、この責任は免れません。
 ところで、マンションの一室のバルコニーに鳩が住みつかせるような行為は、区分所有者が居住しているか否かに関わらず、マンションの部屋のバルコニーに鳩の羽が飛散したり、糞をまき散らすことになり「建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない」(区分所有法第六条)との規定に該当すると考えられます。
 従って、管理組合は当該区分所有者にバルコニーに鳩が住みつかせないような措置を求めるとともに、バルコニーが汚れている場合はその清掃を行うように要求することができますし、このとき同区分所有者が管理組合の要求に応じない場合には、共同の利益に反する行為として、集会の決議により、鳩が住みつかないような構造物の設置などを求める裁判を提起することもできますし、その費用の負担を求めることも可能です(区分所有法第五七条)。
 まずは当該区分所有者に連絡を取り、バルコニーの状況をお伝えしたうえで善処いただくように依頼しましょう。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2010年3月掲載

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専用庭の樹木を独断で伐採することに問題はないのか

マンションの1階住戸を所有する区分所有者です。住戸に専用庭が付いており、新築当初より樹木が植えられているのですが、夏には虫が発生しますし、枝の剪定や落ち葉の掃除も面倒なので、伐採することを検討しています。私の独断で伐採することは問題ないでしょうか?

 当該樹木は、共用部分である専用庭に新築当初より植えられていることから、共用部分と考えられ、当該樹木の取り扱いについては管理規約の定めによることとなります。
 標準管理規約第21条では、「バルコニー等の管理のうち、通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負担においてこれを行う」旨の定めがありますが、樹木における通常の使用に伴う管理とは、消毒、枝の剪定、落ち葉の掃除等を指すと考えられ、伐採は、共用部分の変更行為に該当するでしょう。
 共用部分の変更行為は管理組合の総会決議事項であることから、区分所有者の独断で樹木を伐採してはいけません。樹木の伐採を希望する場合、総会議案とすることについて理事会に働きかける必要があります。
 なお、区分所有法第17条において「共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決する」と定められていることから、樹木の伐採がマンションの外観等に大きな影響を及ぼさない限り、その決議要件は普通決議で足りると思われます。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2016年4月掲載

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使用が制限される場合、専用庭使用料を免除できるか

理事長をしています。私のマンションでは、1階住戸に専用庭があり、専用庭使用料を組合員から徴収しています。この度、大規模修繕工事を実施することとなり、足場を組むこととなったのですが、1階住戸の組合員より、大規模修繕工事期間中は専用庭を使用できなくなるため、専用庭使用料を免除してほしいとの要望がありました。どのように対応すればよいでしょうか。当マンションの規約はマンション標準管理規約に準じています。

 専用庭には、専用使用権という「敷地及び共用部分等の一部について、特定の区分所有者が排他的に使用できる権利」が設定されています。
 専用庭使用料は、共用部分である専用庭に設定されている専用使用権の対価として区分所有者が管理組合に支払うものです。
 また、専用使用権は、マンション標準管理規約コメント第14条関係において、「管理のために必要がある範囲内において、他の者の立ち入りを受けることがある等の制限を伴うものである。」とされており、管理組合が行う管理行為によりその使用が制限されることを前提に認められている権利であると考えられます。
 したがって、管理組合が行う大規模修繕工事により区分所有者の専用庭の使用が制限されたとしても、原則として専用庭使用料を免除することはできないでしょう。
 とはいえ、専用庭が使用制限を受ける程度や期間によっては、使用料を徴収しないという判断もあると思われます。あらかじめ使用料の免除規定を定めておくのも一つの方法です。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2016年6月掲載

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