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管理に関するFAQ

共用部分のトラブル

敷設駐車場が不足している場合の抽選実施について

理事長をしています。当マンションは総戸数に対して敷設駐車場が不足し、敷設駐車場の使用者とそのほかの組合員との間に不公平が生じているため、総会にて駐車場使用細則を制定し、定期的に抽選会を実施することを検討しています。現在の駐車場使用者はそのような議案は無効だと主張していますが、法的な問題はないでしょうか。

 マンションの総戸数に対し、敷設駐車場の区画数が不足した場合、敷設駐車場を使用できない区分所有者はマンション近隣の駐車場を借りる必要があり、敷設駐車場の使用者とほかの区分所有者の間には利便性における格差が生じてしまいます。この格差を解消するには、従来の駐車場使用契約を終了させた上で、新たな駐車場使用者を募集し直すなどの対応が必要ですが、現在の駐車場使用者がどのような権利に基づいて使用しているかが争点となるでしょう。
 一般的な分譲マンションの敷設駐車場は、管理組合の共用部分とされており、駐車場使用を希望する者は、管理組合と駐車場使用契約を締結する必要があります。問題は、その使用契約書に契約期間がどのように記載されているかということです。多くの場合、契約期間は一年間で、貸主と借主の双方より特段の申し出がない場合においては、前年と同一条件で更新される旨の記載がされていますので、貸主(管理組合)より契約を更新しないことを通知し、契約を終了させることは可能です。
 管理組合の手続きとしては、駐車場使用細則の制定が総会の決議事項(普通決議)に該当するため、総会において出席組合員の過半数の承認を得ることが必要です。
 ただし、このような運用変更は、従前の駐車場使用者からの不平不満が出ることは容易に予想できます。あまりに形式的に手続きを進めた場合には、管理組合内で確執が生じることもあり、今後の組合運営に支障をきたしかねません。総会にて審議を問う前に、組合員に対して十分な説明を行い、理解と協力を得ることが必要です。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2011年7月掲載

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マンション敷地内の放置バイクについて

マンションの敷地内にバイクが放置されています。マンション掲示板や放置バイクに貼り紙をして撤去を求めていますが、所有者が名乗り出ないため、放置バイクの処分を検討しています。どのような手続きが必要でしょうか。

 マンション敷地内へのバイク放置は、美観を損ねるだけでなく、場合によっては住民生活に危険を及ぼすこともあり、可能な限り早急に対処したいものです。
 しかしながら、本問のように、掲示板やバイクに貼り紙をしても所有者が名乗り出ないからといって、放置バイクの処分を安易に行ってしまうと、後になってバイクの所有者から損害賠償等を請求される場合もあります。そのようなトラブルを未然に防ぐためには、おおむね次の手順で対応するのが良いでしょう。
 まずは警察等に問い合わせをし、所有者の特定に努めてください。警察等に問い合わせをした場合、放置バイクのナンバープレート等から所有者が特定できることがあります。放置バイクの所有者が特定できた場合と特定できなかった場合とで対応法が異なります。
【(1)放置バイクの所有者が特定できた場合】
 警察より所有者に連絡をとり、放置バイクの撤去・移動を指導することで、問題が解決する場合があります。
 所有者が判明したにも関わらず放置バイクを引き取りに来ない場合や、所有者と連絡がつかない場合には、訴訟にて「妨害排除請求」および「損害賠償請求」を行うことも可能となります。また、盗難届が出されていたり犯罪等に関与していた場合などは、警察が引き取り保管する場合もあるようです。
【(2)放置バイクの所有者が特定できなかった場合】
 警察等に問い合わせをしても所有者が判明しない場合は、マンション掲示板や放置バイクの車両本体等への貼り紙により、放置バイクの所有者に対して移動、撤去を求め、応じない場合には管理組合にて撤去、廃棄処分をする旨を通告します。
 貼り紙を掲示後、一定期間(おおむね三週間から一カ月程度)を経過しても所有者が現れない場合には、当該放置バイクは所有者が放棄した物権とみなされ、民法第二三九条に基づきマンション敷地の所有者である管理組合が放置バイクの所有権を取得することになり、管理組合により撤去や廃棄処分をすることも可能となります。
(参考)民法 第二三九条 無主物の帰属:所有者のない動産は、所有の意思をもって占有することによって、その所有権を取得する。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2012年11月掲載

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バルコニーに設置された給湯器の色を使用細則で指定することは可能か

私の所有しているマンションで過日総会が開催され、使用細則において「バルコニー設置の給湯器の色について、外観の統一の目的のため外壁と同系色の茶系色とする」旨の規定を設ける議案が上程され、賛成多数により承認されました。マンションの給湯器は、区分所有者の所有する設備であり、民法第二〇六条によって所有者が自由に使用できるものと思いますが、個人の所有権を制限するようなことをマンションの使用細則で規定することができるのでしょうか。

 民法第二〇六条では「所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する」と規定されていますが、この条文に記載されている「法令の制限内において」の「法令」には区分所有法も含まれます。
 区分所有法第三〇条では「建物又はその敷地若しくは附属施設の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項は、この法律に定めるもののほか、規約で定めることができる」と規定され、本条でいう「管理又は使用」の対象は、共有財産の管理といった狭義の管理にとどまらず、専有部分を含めたマンション全体を指す広義の管理を指すものと解されています。
 実際には、管理規約や使用細則には専有部分や個人の所有物の管理・使用に関する規定もさまざまに規定されています。
 ただし、専有部分は、本来はそれぞれの区分所有者が管理及び使用をするべきものですから、その規制の程度については管理組合全体の「共同の利益」と、規制によって伴う「個人使用の不利益」との比較衡量によって判断すべき事項と思われます。
 そして、この比較衡量には絶対的な判断基準がなく、管理組合でいえば、組合員間の共通認識に沿って決めることも許されるものと解されます。
 したがって、本マンションでは、できるだけ建物の色調を統一的な色合いにしたいとの共通認識があるようですので、その使用細則において給湯器の色調指定の規定を設けることは、問題がないものと考えられます。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2014年6月掲載

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