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管理に関するFAQ

総会・理事会の運営

複数の議決権を保有する者が議決権を分割して行使することはできるか

理事長をしています。通常総会の開催にあたり、二住戸(二議決権)を所有する組合員から、ある議案の議決権について、自己の所有する議決権を分割し、二人の代理人を立てても良いかとの問い合わせがありました。理事長としてこれを認めても良いのでしょうか?当マンションの管理規約では、一住戸一議決権と定めています。

 区分所有法には今回のケースに関する明確な規定はありませんが、議決権の行使は総会議案に対する組合員個人の意思表示であり、一人の組合員の意思は議決権の保有数に関わらず統一された一個のものであるべきと考えられます。
 区分所有法第三九条第一項では「集会の議事は、この法律又は規約に別段の定めがない限り、区分所有者及び議決権の各過半数で決する」と定めていますが、これは管理組合が区分所有者の集合体であることから、共同の利益を維持する上で、持分割合のみならず組合員の数をも考慮することとしたものです。議決権の数に応じて複数の代理人を認めた場合、議決権数と組合員数が事実上同義となり、上記の趣旨が損なわれることになります。
 また、区分所有法第四〇条では「共有者は、議決権を行使すべき者一人を定めなければならない」としており、同法においても、議決権の分割行使は想定していないと考えられます。
 以上の点を考慮すると、一人の組合員が自己の所有する議決権を分割し複数の代理人を立てることはできないといえます。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2014年2月掲載

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組合員名簿の閲覧を拒否できる正当な理由の範囲はどこまでか

マンションの一般組合員です。理事長の目にあまる職務怠慢があるため、管理規約に基づき組合員総数および議決権総数の五分の一以上の組合員の同意を得て、理事長解任を決議とする臨時総会の招集を理事長に請求したところ、理事長はこれを拒否しました。臨時総会を直接招集するために、理事長に組合員名簿の閲覧を求めたところ拒否されたためマンション管理会社に名簿の閲覧を求めましたが、理事長の許可がなければ応じられないとの回答がありました。組合員名簿の閲覧を拒否できる正当な理由の範囲はどこまでなのでしょうか。

 区分所有法では組合員名簿の閲覧については特に規定していませんが、管理規約で規定していることが一般的です。マンション標準管理規約第六四条では「理事長は、会計帳簿、什器備品台帳、組合員名簿及びその他の帳票類を作成して保管し、組合員又は利害関係人の理由を付した書面による請求があったときは、これらを閲覧させなければならない。この場合において、閲覧につき、相当の日時、場所等を指定することができる」と定められています。
 規約で上記のような定めがある場合、理事長が正当な理由なく組合員名簿の閲覧を拒否することは職務違反となります。閲覧を拒否することができる正当な理由としては次のことが考えられます。
(1)組合員名簿情報に基づき社会通念上許容される範囲を超える電話・訪問・文書配布等を執拗に行うことが予測される場合
(2)目的が不明確又は個人的な情報収集である場合
(3)深夜又は早朝の閲覧請求の場合
などです。
 なお、管理会社は閲覧書類の保管当事者ではなく、管理組合との管理委託契約に基づき組合員情報を取り扱っている立場ですので、管理組合(理事長)の許可がなければ入居者名簿の閲覧に応じることはできないでしょう。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2014年3月掲載

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集会室を用途変更する場合の総会の決議要件は

理事長をしています。当マンションには集会室が設けられていますが、利用が少ないので、かねてから要望が多く出ているスタディールームに変更することを検討しています。この変更に伴い個別ブースを設置するための内装工事と、机・イス等の備品購入が必要となりますが、総会決議は普通決議で問題ないのでしょうか。なお、当マンションの管理規約は標準管理規約に準じており、集会室の利用方法については、使用細則に規定しています。

 マンション標準管理規約第一三条では、「敷地及び共用部分等は通常の用法に従って使用しなければならない」と定められており、使用細則で定めることができる事項は、この「通常の用法」の具体的な内容になります。
 今回のように、個別ブースを設置することにより、集会室として使用できなくなるような用途の変更が生じる場合は、特別決議により総会決議を行うことが適切だと考えられます。
 ところで、個別ブースの設置工事も、外部に騒音が漏れない内装工事を要するカラオケ室や音楽室の設置などの場合以外は、近時、取り外しの可能な間仕切り設備の内装工事が可能となっていますので、集会室として利用できる工事方法も可能かと思われます。
 本問では、現在集会室がどのように利用され、スタディールームの構造も定かではありませんが、集会室は、もともと、種々な利用方法を想定して設置されているものですから、仮に、スタディールームとしての使用の必要性が強いとしても、室内の構造自体を固定してしまうことは、できるだけ避けることが肝要と思われます。そして、室内の構造自体を固定的に変更するのでなければ、「通常の用法」に変更があるとまでいえませんので、管理規約の変更に該当しませんから、普通決議で議決すればよく、特別決議を要しないことになります。
 なお、「通常の用法」の変更がある場合で、管理規約に規約共用部分として「集会室」の存在が明記されているときは、「用法変更」の特別決議とともに、規約の内容変更も特別決議を行うことを留意してください。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2014年4月掲載

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外部所有者に協力金を求めるとする規約変更には外部所有者の承諾が必要か

理事長をしています。当マンションの管理規約では「役員は現にマンションに居住する組合員のうちから選任する」と定められていますが、外部所有者が増加し、組合運営に関わる負担の不公平を解消するため、外部所有者に対し一定の協力金の負担を求めるように規約の内容を変更することを検討しています。区分所有法第三一条では「規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない」と定められていますが、今回の規約変更には、外部所有者の承諾を得る必要はあるのでしょうか。

 外部所有者に対して協力金の負担を新たに規定した規約変更について、最高裁の判例によれば、「規約変更の必要性及び合理性と、外部所有者が受ける不利益の程度などを比較衡量し、外部所有者の受忍限度内にあり、特別の影響を及ぼすまでとはいえない」と説き、規約変更の法的効力を認めた判例があります。
 しかし、管理組合の構成や規模、外部所有者の状況(戸数や組合活動への関わり方など)、管理費等の額等さまざまな条件により、「特別の影響」の有無が判断されることになるため、一概に上記最高裁判例に照らして、外部所有者の承諾なしに規約変更を行うことが認められるものではありません。
 外部所有者に協力金等を負担させる規約変更は、法的紛争を避けるために、できる限りその承諾を得て規約の変更手続きを行うべきであり、慎重に検討する必要があるでしょう。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2015年1月掲載

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ケーブルテレビ設備を更新する場合の総会の決議要件は

共用部分のケーブルテレビ設備が老朽化したため、ケーブルテレビ会社の費用負担にて、設備を更新することになりました。総会の決議要件はどう考えたらよいでしょうか。なお、本マンションの規約はマンション標準管理規約に準拠した内容になっています。

 マンション標準管理規約第四七条では、共用部分等の変更については特別決議としていますが、「その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く」とされており、その場合は普通決議で足りることとされています。
 設備更新が形状または効用の著しい変更を伴うかどうかということがポイントとなりますが、通常ケーブルテレビ設備は、外観上に影響をほとんど及ぼしていないでしょうし、更新ということから効用の変更ということにも当たりません。
 よって、今回のケースでは、普通決議で足りると考えてよいでしょう。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2015年8月掲載

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