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管理に関するFAQ

総会・理事会の運営

理事長が総会で決議した訴訟提起の原告となることを拒否した場合について

マンションの副理事長をしています。管理費の高額滞納者に対して訴訟を提起することが総会にて決議されましたが、理事長が原告となることをかたくなに拒否しています。「副理事長は、理事長を補佐し、理事長に事故があるときは、その職務を代理し、理事長が欠けたときは、その職務を行う」という管理規約の定めに基づき、副理事長である私が原告となり訴訟を提起することは問題ないでしょうか?

 管理規約の定めは、「理事長が病気やけが等で理事長としての職務を遂行することができない場合に、副理事長が理事長の職務を代理する」という職務についての代理権限を定めたものであって、副理事長が理事長に代わって管理者となる地位についての資格権限を定めたものではありません。
 区分所有法第二六条第四項の規定では、総会の決議により区分所有者のために裁判の原告となることができるのは管理者の地位にあるものとされていますので、管理者でない副理事長が原告となることはできないことになります。
 本問では、現理事長が総会決議による職責を果たせないことから辞任され、理事会で新理事長を選任したうえで、新理事長が原告となって訴訟を提起することになります。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2013年5月掲載

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監事が収支決算案を承認しない場合の議案上程について

理事長をしています。通常総会の開催にあたり、管理組合の収支決算案について監事の会計監査を受けたところ、会計処理のミスについて指摘した監査意見書が提出され、収支決算案については承認されませんでした。会計処理のミスについては修正しましたが、監事は追加承認を拒否しています。このような場合、理事会は監事の承認を受けていない収支決算案を総会に議案上程することはできるのでしょうか?

 マンション標準管理規約第五九条では、「理事長は、毎会計年度の収支決算案を監事の会計監査を経て、通常総会に報告し、その承認を得なければならない」とされています。 この規定によれば、監事の会計監査を経て通常総会に議案を上程することが求められていますが、監事の承認を得ることまでは議案を上程する条件とされていません。
 そのため、監事の不承認が、議案の上程を妨げられるものではありません。
 ただ理事会としては、規約に基づいて監事の会計監査を経て監査意見書が提出されたことと、上程される収支決算案は監事が不承認であることを明示した上で、総会議案書に監査意見書を添付するなど、組合員が当該議案に対して適切に意思表示できるように対応する必要があるでしょう。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2013年6月掲載

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区分所有者の特定について

理事長をしています。総会開催のため、区分所有者に対し案内を配付しようとしていますが、ある住戸については転売された形跡があり、現在の区分所有者について特定できていません。管理組合としてどのような対応を取れば良いのでしょうか?なお、当マンションの管理規約は標準管理規約に準じています。

 マンション標準管理規約第三一条(届出義務)では、「新たに組合員の資格を取得し又は喪失した者は、直ちにその旨を書面により管理組合に届け出なければならない」とされていますので、理事長はこの届出に基づき、その者を区分所有者と判断することとなります。この届出義務は各区分所有者にあり、管理組合が区分所有者を特定する調査を行う義務はありません。
 よって所有者変更の届出が区分所有者より行われない限り、理事長は従来の区分所有者に総会の通知をすれば足りると考えられます。
 ただし、総会の決議が区分所有者の権利に関わる決議を行う場合、例えば、建替え等の重要事項の決議である場合は、より慎重な対応が求められます。
 この場合は、全区分所有者の区分所有権を確認する必要があり、登記簿を取得のうえ組合員名簿との照合を行い、組合員の名前と登記簿の名義が異なる場合は、現に区分所有権を有していることについて確認を求めるなどの調査を行うのが良いでしょう。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2013年8月掲載

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監事が招集した臨時総会の議長について

監事をしています。管理組合の業務の執行について不正があると認められたため、臨時総会を招集しようとしています。この臨時総会の議長は誰が務めるべきなのでしょうか?

 マンション標準管理規約は第六章第三節に「役員」の規定を設け、同第三五条には、管理組合に理事(理事長、副理事長等)と監事とを総会で選任することを規定しています。
 そして、同第四〇条に、「理事は、理事会を構成し、理事会の定めるところに従い、管理組合の業務を担当する」とし、また、同第四一条第二項で「監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況について不正があると認めるときは、臨時総会を招集することができる」と規定しています。
 本問は、理事会が行う管理組合の業務に不正があった場合に、監事によって招集された臨時総会の議長を誰が務めるべきかという問題です。
 そこで、総会の議長は誰が務めるかについては、同第四二条第五項に「総会の議長は、理事長が務める」と定めていますが、監事が臨時総会を招集する場合の議長について標準管理規約では特段の定めをしていません。
 しかし、組合員による臨時総会においては、同第四四条第三項に「前二項(組合員による臨時総会の招集)により招集された臨時総会においては、第四二条第五項にかかわらず、議長は、総会に出席した組合員の議決権の過半数をもって、組合員の中から選任する」と規定しています。
 その趣旨は、組合員による臨時総会の招集の場合に、理事長が議長を務めることになると、その議事運営の公正さに疑念が生じるからと思えます。
 一方、区分所有法第四一条では「集会においては、規約に別段の定めがある場合及び別段の決議をした場合を除いて、管理者又は集会を招集した区分所有者の一人が議長となる」と定めていて、議長は管理者である理事長又は総会を招集した監事のどちらかが務めることができることになっています。
 ところで、本問は、監事が理事会の実施する管理組合の業務の執行状況について不正があると認めて臨時総会を招集しているため、その総会の議長を理事長が務めるのは、組合員による臨時総会の招集の場合と同様に、理事長が行う議事運営の公正さに疑念を払拭することができません。そこで、本問のようなケースでは、監事が臨時総会の議長を務めることが最も適正であるといえます。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2013年12月掲載

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総会決議にて理事長は理事会の決議に拘束されるのか

理事長をしています。理事会にて玄関の横にある植栽を撤去して、その場所にスロープを設置することを検討しています。私自身はこの案には反対なのですが、理事会では理事の過半数の賛成により可決され、次回の総会の議案として上程することとなりました。理事会で可決されている以上、理事長である私は総会では賛成票を投じなければならないのでしょうか?

 理事長は、一般的に、共用部分を保存し、集会の決議を実行し、規約に定められた行為を行う権利を有し、義務を負う地位にあります(区分所有法第二六条参照)。
 また、標準管理規約第三七条第一項には「役員は総会及び理事会の決議に従い、組合員のため、誠実にその職務を遂行するものとする」と定めがあり、本問のマンションの規約にこの定めがあるのが通常であり、この規定により、総会招集権者であり、議案の提案者である理事長は、理事会の決議を誠実に遂行する義務があるため、総会で反対票を投じることはできないと考えるべきです。
 一方、仮に、規約にこの定めがない場合は、理事長は、賛成票を投じる義務があると考えるべきです。
 なぜなら、理事長は、総会を招集し、理事会決議の議案の提案者であることから、理事長の意見と理事会の決定が異なることは議事運営にも好ましいことではなく、殊に該当議案に賛成する意思で理事長宛てに委任状を提出してくる組合員の意思と齟齬することも考えられ、理事長が反対票を投ずることはできないと考えます。
 なお、理事長の意向と理事会の決議とが異なることは、総会の議事運営やその後の決議の実行にも影響することがあり、理事会内にて内容をよく協議し、意見を一つにまとめてから総会議案として上程することが求められます。
 そして、理事会内でどうしても意見がまとまらず、理事長が総会で反対票を投じる意思を変えることができない場合は、理事長を辞任し、新たな理事長のもとで総会を招集し、総会を開催することが最も適正なことといえます。
 しかし、理事長が辞任もされず、総会が招集される場合には、委任者の意思と受任者の議決権の行使が齟齬することのないように、あらかじめ理事会が決議し、総会に議案を上程するに至った経過や理事長が該当議案に反対であることの経過報告を総会議案書等に記載し、全組合員に通知しておく必要があるでしょう。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2014年1月掲載

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