管理に関するFAQ

生活ルール

組合員名簿の作成と個人情報保護法について

理事長をしています。管理会社にマンションの組合員名簿の作成を依頼しようと考えています。平成一七年四月より施行されている「個人情報保護法」に関連して、何か注意する点はありますか。

 この法律では過去六ヶ月以内に五〇〇〇人以上の個人情報データベース(特定の個人情報が、他人によっても容易に検索可能な状態に置いてあるもの)を保有し、事業の用に供している者を「個人情報取扱事業者」とし、数々の義務を課しています。
 管理組合が、この「個人情報取扱事業者」に該当するかどうかですが、一般的な管理組合においては、五〇〇〇人以上の個人情報データベースを保有していないと思われますので、同法の適用外となります。
 一方、管理会社においては、五〇〇〇人以上の個人データベースを取り扱っている管理会社であれば、同法が適用となります。
 今回のケースにおいて、個人情報取扱業者に該当する管理会社が組合員名簿を作成するにあたって、管理組合から個人情報を取得した場合には、同法第一八条第一項に定めるとおり、あらかじめその利用目的をマンションにある掲示板に掲示するなどして、公表するか、速やかに本人に通知、または公表しなければなりません。
 また、管理組合からではなく、管理会社が組合員本人から直接情報を取得する場合には、同法第一八条第二項に定めるとおり、本人に対し、あらかじめその利用目的を明示しなければなりません。
 該当しない管理会社や管理組合は、個人情報取扱事業者となりませんので、上記のような法的義務はありませんが、個人情報保護法が施行されたことにより個人情報保護、プライバシー保護についての関心は高まると思います。個人情報の取扱については、慎重かつ適正に取り扱うことが必要でしょう。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2005年3月掲載

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登録した自動車以外の駐車場使用について

このたび自動車を購入し、管理組合と駐車場使用契約を交わすことになりました。駐車場使用契約書には、「使用する自動車をあらかじめ届け出なければならない」とありますが、登録した自動車以外の自動車を駐車してはいけないのでしょうか。

駐車場使用契約書には、本問のように「使用する自動車をあらかじめ管理組合に届け出なければならない」(以下、本条項という)旨が決められているケースが多くあります。一義的には管理組合は本条項により、契約者に対して、届け出た自動車以外の駐車をすることは禁止することができると考えられます。
 しかしながら、マンションの共用部に設けられた駐車場であるという特性を考えた場合、契約区画に届け出た自動車以外の駐車を一切禁止することに、合理的な理由はありません。
 それよりも、駐車場契約書に本条項が設けられているのは、規格外の自動車を駐車したり、転貸(又貸し)していると思われる契約者に対して、管理組合が違反の指摘を容易にすることができるように、という目的があると考えられます。
 一般的には、規格外の自動車の駐車や、転貸している恐れがあっても、管理組合がそれを証明するのは大変なことです。
 本条項が設けられていれば、届出のされた自動車以外の駐車が長期間続いたときには、管理組合は、規格外の車が駐車している理由などの事実関係を調査して、契約者に対して是正措置を行うことができるでしょう。本条項の意味をそのようにとらえると、契約区画に来客者や同居人が(規格内の)他の自動車を一時的に駐車したり、会社の車で帰宅して一時的に駐車したりすることは問題ないでしょう。  
 しかし、車を買い替えるなどして、今後長期に渡って車種が変更になる場合は、再度管理組合に届け出る必要があります。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2008年5月掲載

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来客用駐車場を独占的に使用する区分所有者への対策は

理事長をしています。来客用駐車場を独占的に使用する区分所有者がおり、再三の注意にも関わらず全く使用をやめないため、駐車車両の強制撤去なども検討していますが、何か有効な対策はないでしょうか。

 マンション敷地内での迷惑駐車車両であっても、管理組合自らが駐車車両の強制撤去を行うことは、法律的には自力救済という不法行為に該当するため行うことができません。
 ただし、法的な手続にのっとって債務名義を取得した上で強制執行として行うことは可能です。
 具体的には、来客用駐車場の独占的な使用行為を共同の利益違反として、その行為の差し止めを裁判で請求すればよいでしょう。判決により債務名義を取得した後にも、来客用駐車場の独占的使用が続けられるようであれば、裁判所に債務名義に基づく駐車車両の撤去を請求することが可能となります。
 マンション敷地内の駐車場(私有地)は、公道とは異なり警察による取り締まりができないため、このようなトラブルに至る前の対策が重要です。次のような方法を参考にして、日ごろから来客用駐車場の無断駐車を抑制することが重要です。
(1)来客用駐車場への無断駐車を禁じる注意文や看板の設置
(2)区分所有者や管理員による巡回
(3)来客用駐車場の使用許可証の発行
(4)無断駐車車両への注意文や警告文の提示
(5)常習的無断駐車車両の車種やナンバーの公表

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2011年2月掲載

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ペット飼育細則の制定について

理事長をしています。当マンションでは犬・猫等のペットの飼育は全面的に禁止となっていますが、次の総会にてペット飼育細則を制定し、条件付きで犬・猫等の飼育を認めることとする議案を上程することを検討しています。ペット飼育細則の制定は普通決議で問題ないでしょうか?

 ペットの飼育は全面的に禁止となっているとのことから、設問のマンションでは、ペットの飼育を禁止する旨の管理規約があるか、または管理規約がないと思われます。
 このような場合は、使用細則の制定では足りず、規約変更手続き、または規約の制定手続きが必要であり、区分所有法第三一条に規定する特別決議(区分所有者と議決権の四分の三の賛成を要する)が必要です。
 マンションでペット飼育を認めるということは、区分所有者相互間における専有部分の管理や使用だけでなく、共用部分の管理や使用(ペットが通るなど)についても区分所有者の利害の調整を行う必要があるからです(区分所有法第三〇条第一項、三項)。一方、管理規約においてペットの飼育を認めることが定められている場合には、新たに飼育届の様式や運用等をペット飼育細則にて制定すればよく、普通決議で足りることになります。
 本問は、ペット飼育を認める規約の制定の質問と思われますので特別決議が必要となります。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2013年11月掲載

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賃借人の迷惑行為について所有者に責任はあるか

理事長をしています。ある居住者(賃借人)が夜中に大きな騒音を発したり、共用廊下にゴミを放置するなどの迷惑行為(使用細則違反)を度々繰り返すため困っています。賃借人本人に迷惑行為をやめるように注意してもやめないため、当該住戸の区分所有者に賃借人の迷惑行為停止を要求しましたが、当該区分所有者は「自分には関係ない」と取り合ってくれません。区分所有者には責任はないのでしょうか?なお、当マンションの管理規約は標準管理規約に準じています。

 標準管理規約第一九条第一項に次の定めがあります。
 『区分所有者は、その専有部分を第三者に貸与する場合には、この規約及び使用細則に定める事項をその第三者に遵守させなければならない』
 ご質問の迷惑行為は使用細則違反とのことですから、区分所有者は賃借人に使用細則を遵守させていないこととなります。
 従って、区分所有者である建物賃貸人が、賃借人に迷惑行為を防止するように注意をし、賃借人が区分所有者の注意を遵守しない場合には、管理規約等による種々の法的責任を負うことになります。
 なぜなら、区分所有者は、使用細則に違反する建物の使用をしていることになり、そのことによって、法的責任を負う場合があるからです。
 具体例としては、賃借人が「夜中に大きな騒音を発し」、区分所有者の睡眠を妨害しているのであれば、その区分所有者が賃貸人である区分所有者に使用細則の違反行為により、その損害賠償を求められることがありますし、使用細則の違反行為が区分所有者の共同生活上の支障が著しい場合には、管理組合から賃貸人である区分所有者に対し、建物の使用禁止の請求を受けることにもなりかねないからです。
 賃貸人である区分所有者は賃借人に、使用細則を遵守するように説得することが求められ、説得に応じない場合には、賃借人との建物賃貸借を解除する必要が生じることにもなるでしょう。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2014年5月掲載

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賃借人が使用細則を守らない場合どうすれば良いか

理事長をしています。賃借人として住んでいる人が当マンションの使用細則を守らず、迷惑行為を繰り返しており困っています。賃借人本人に注意を行っても全く改善されないのですが、管理組合としてはどのような対処をしたらよいでしょうか。

 標準管理規約第一九条(専有部分の貸与)では、区分所有者は、その専有部分を第三者に貸与する場合には、規約及び使用細則に定める事項をその第三者に遵守させなければならないと定めています。さらにその貸与する者(区分所有者)は、契約の相手方に規約および使用細則に定める事項を遵守する旨の誓約書を管理組合に提出させなければならないと定めています。
 賃借人が使用細則を守らない場合は、まずその賃借人に対し文書等で、誓約書に基づき管理規約・使用細則は必ず守る義務があることを改めて説明し、違反行為を止めるよう勧告することが第一です。
 管理規約に上記のような定めがなく、誓約書等がない場合であっても、区分所有法第六条(区分所有者の権利義務等)第一項は「区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない」と定めており、第三項ではこの定めを「区分所有者以外の専有部分の占有者に準用する」としています。
 さらに同法第五七条(共同の利益に反する行為の停止等の請求)で、「第六条第一項に規定する行為をした場合又はその行為をするおそれがある場合には、他の区分所有者は、区分所有者の共同の利益のため、その行為を停止し、その行為の結果を除去し、又はその行為を予防するため必要な措置を執ることを請求することができる」としています。
 賃借人の迷惑行為が他の区分所有者への共同生活上の障害が著しく、他の方法によってはその障害を除去することが困難であるときは、管理組合は賃借人に対し、同法第五七条第一項に規定する行為の停止以外に、同法第六〇条(占有者に対する引渡し請求)に基づいて、専有部分の使用または収益を目的とする契約の解除およびその専有部分の引渡しを請求することもできます。
 しかし、上記のような措置を取る前に、まずは、賃貸人である区分所有者に賃借人の違反行為を知らせて、賃貸人から賃借人に注意するよう求めるのが良いでしょう。また、管理組合としても、賃借人が入居する際に、使用細則を渡し、これを守る義務があることを伝えることで、トラブルを減らすことができるでしょう。 

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2014年12月掲載

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